ソフトバンクは16日の楽天戦(北九州)に5―6の逆転負けを喫し、今季初めて首位から陥落した。鷹の絶対守護神・森唯斗投手(30)が1点リードの9回一死一塁から逆転2ランを被弾。8回の攻撃で上林が一時勝ち越しとなる適時打を放った直後だっただけに、よもやの惨劇だった。

 甘く入った143キロのツーシームを西川に強振されると、打球は右翼席中段へ突き刺さった。鷹党の悲鳴が空しく北九州市民球場に響く中、森は視線を落とした。「申し訳ないとしか言えません。自分自身、もう後がない。やり返さないといけない」。試合後、球団を通じて残したコメントには、これまでに見せたことのない悲壮感が漂っていた。

 今季これで早くも3敗目を喫した絶対的クローザー。責任を背負い込む右腕に、藤本博史監督(58)は「こっちが9回を任せているわけだから仕方ない。(チームのここまで)4敗中3敗が森っていうところで、本人も一番ショックじゃないかなと思う。しっかりその辺をもう一回、投手コーチを入れてこれから話し合っていきたい」と、配置転換の可能性を否定しなかった。

 開幕ダッシュを支えたホークスの救援陣は実に強力だ。主に勝ちゲームで登場する嘉弥真、津森、又吉の「防御率0」トリオに、今季も〝奪三振マシーン〟と化しているモイネロはもはや無双状態と言っていい。今季絶望の栗原、左肩を痛めてリハビリ中の柳田を欠く打線が完全体ではない中、いかに「守り勝つ野球」で耐えしのぐかがシーズン序盤のカギだ。

 通算127セーブの実績、修羅場をくぐった経験を踏まえ「守護神」には森がきっちり収まることが理想であることに変わりはない。ただ、ここまで貯金7を積み上げ、思い切った決断を下せる余裕があるのも事実だ。柔軟な一手か、それとも――。鷹はいかに〝後ろの安定〟を保つか。