【ジョージア州オーガスタ7日(日本時間8日)発】米男子ツアーメジャー初戦「マスターズ」初日(オーガスタ・ナショナルGC=パー72)、昨年2月に起きた自動車事故で負った大ケガからの復帰戦となったタイガー・ウッズ(46=米国)は3バーディー、2ボギーの71で回り、1アンダーの10位スタート。復活の裏には勝ち続けてきた男だからこそのモチベーションがあった。5アンダーの任成宰(24=韓国)が首位に立った。

 2020年11月の「マスターズ」以来、“主役”がツアーに戻ってきた。右脚切断の可能性すらあった自動車事故による重傷からは、わずか1年2か月。5日の公式会見では「まだ勝てると思えば、プレーするつもりだ。でも、もし無理だと思ったら、ここで僕を見ることはないだろう。どうしたら日曜日のバックナインでチャンスがある位置に立てるかということにすべて集中している」と語っていたが、その言葉は大げさではなかった。

 多くのパトロンを引き連れてプレーしていく中、この日は6番パー3で最初のバーディーが来る。ティーショットを60センチにつけるスーパーショットでパトロンからの大歓声を浴びた。8番パー5でボギーとしたが、13番パー5は2オンに成功させ、イーグル逃しのバーディー。取りたい15番パー5はパーとしたものの、16番パー3でピン手前8メートルを沈めた。歓声に応えるようにガッツポーズを繰り出した。18番パー4をパーでまとめてホールアウトすると、大きな拍手が湧き起こった。

 負傷の程度から考えると、アンダーパーのラウンドは、まさに超人的。不屈の闘志でリハビリを続けてきた成果だろう。そのモチベーションを保ち続けるのは簡単ではないが、かねて日本ゴルフツアー機構元会長の小泉直氏(83=現・顧問)はウッズについて、こう語っていた。「彼の死ぬまでの願望はただ一点。もう1勝以上してサム・スニードを上回りたい強い気持ちがある。だから一度どん底に落ちても、はい上がって(19年4月に)マスターズで優勝し、(同年10月の)ZOZOチャンピオンシップにも勝ってスニードに並びました」

 米ツアー通算82勝はトップタイだが、“単独”への強い意欲は重傷を負ってもブレなかったわけだ。小泉氏は「彼は目的がある限り、モチベーションを失わずにゴルフに取り組んでいくでしょう」。83勝目の次はメジャー通算勝利数もターゲットになりそう。現在15勝のウッズは「マスターズ」に勝てば、歴代最多18勝のジャック・ニクラウスへさらに迫る。

“モチベーションの鬼”は、どこまで記録を伸ばしていくのだろうか。