第94回選抜高校野球大会(甲子園)第7日の25日、近江(滋賀)のエース・山田陽翔投手(3年)が、わずか87球で2試合連続の完投勝ちを収めた。聖光学院(福島)とのベスト8をかけた2回戦。初戦の長崎日大(長崎)戦で延長13回165球を投げ抜いた右腕は、少ない球数で9回5安打2失点にまとめた。大会が進むにつれ「球数制限」もクローズアップされる中で、大人の投球で省エネゲームを完結させた。

 初回の先頭に四球を与える不安定な立ち上がりで先制点を献上したが、2回以降は「8分から7分の力に変えた」という出力制限で力みを抑えて修正。変化球の割合を増やし、打たせて取る投球で凡打の山を築いた。

 山田が三者凡退に抑えた直後の2回の攻撃では、味方打線が見事な集中打で5得点。終わってみれば打線が13安打を放ち、野手陣が無失策でエースを盛り立て、実力校を相手に7―2の快勝だった。

 多賀監督は「前回も2点、今回も2点。しっかり投げ切る『修正力』というのをキャプテンというところでも、気持ちの面でも集中してやってくれている」とたたえた。投げるだけでなく、非凡な打撃センスで野手としてもプロ注目の山田。この日は5打数1安打と打つ方は鳴りを潜めたが、背番号1にふさわしい投球でチームを19年ぶりのセンバツ8強に導いた。

 出場を辞退した京都国際(京都)の代替出場ながら、指揮官の「甲子園から感動を発信するぞ」の合言葉を胸に、力強く進撃を続ける。