日本野球機構(NPB)新人選手研修会が12日、都内のホテルで開かれた。

 講義では、昨秋に発覚した元巨人の3選手が関与した野球賭博問題が初めて“教材”として扱われた。

「有害行為について」と題したレクチャーでは、野球協約で定められた八百長や賭博行為などの禁止事項、1969~71年にかけて球界を揺るがした「黒い霧事件」の概要や経緯などを説明。その後、NPB・井原敦事務局長が巨人の賭博問題について触れた。

 賭博問題の経過や処分が時系列順に説明され、元3選手が野球賭博に染まっていった流れの分析結果も紹介。裏カジノや賭けマージャンに始まり、罪の意識もマヒして野球賭博に染まっていった破滅の道が示された。

 この講義の冒頭と最後には、野球賭博で無期失格処分とされた「ある元選手」の「自分のような人間は二度と出てほしくない」という旨のメッセージが、同事務局長からルーキーたちに読み上げられた。「小さいころから野球しかやってきていない。野球界を追放されることは、自分のこれまでの人生を『無』にすることです」

 すべての新人研修を終え、報道陣に応対した巨人のドラフト1位・桜井俊貴投手(22=立命大)は「自己管理、人の見極めが大事だと思う。今日聞いたことを生かして未然に防げるようにしたい。断る大切さ。先輩でも関係なく断る時は断る」と毅然とした態度で臨む姿勢を打ち出した。