ノアのGHCナショナル王者・船木誠勝(52)が「金剛」に電撃加入した真意を明かした。22日大阪大会でベルトを奪取し、前王者の拳王率いる無頼派集団との共闘を宣言したベテランは、同軍団の現在の課題を指摘した上で、業界一の武闘派集団となるべく「戦い」の伝承に意欲。さらに〝あの男〟にもまさかの越境ラブコールを送った。


 業界を揺るがした船木の金剛入りは、拳王と中嶋勝彦の存在が大きかった。2人は昨年11月代々木大会でGHCヘビー級&GHCナショナルダブル選手権で激突し、60分時間切れドロー。船木は「あれを見て、この2人は今のプロレス界の5本の指に入るなと。自分も今から先、10年、20年できるかどうか分かりませんので、近くにいてできることをやっておきたい。環境も変えたかった。他に戦いたい人もいますので、金剛に入るのがベストかなと」と決断の経緯を説明した。

 戦いたい相手の筆頭候補には、たもとを分かった「エムズアライアンス」が挙げられる。金剛初陣となる27日の東京・後楽園大会で丸藤正道、田中将斗、望月成晃組との対戦が決まり、船木は「誰かが次期挑戦者に? 誰でもいいですよ。本当にやりがいのある3人と分かっているので。久しぶりに戦えることが楽しみです」と腕をぶした。

 百戦錬磨の男の加入は、金剛に大きな変化をもたらしそうだ。「自分の一番の売りというか『戦いとしてのプロレス』ですね。その部分を伝えられたら。彼らも十分戦ってるんですけど、もう少しシビアな部分ですね。ちょっと遊びのないユニットにしたいなと思いますよ。武闘派というか」と、これまでのキャリアで培ってきたものを伝承する意向を示す。

 金剛は8日の新日本プロレスとの対抗戦でロス・インゴベルナブレス・デ・ハポンに敗北。試合は見ていないという船木だが「戦いを経験してる人間と、していない人間の差じゃないですか。対抗戦ってそういうのがすごく出る。新日本はいろんな団体から集まってでき上がってますから、弱肉強食の場だと思うんです。そのあたりが、まだノアにはないのかもしれないですし」と指摘した。

 武闘派集団として船木のイメージに強く残っているのは、かつて新日本マットで猛威を振るった「魔界倶楽部」だ。「形は違いますけど、中身は実力者が入ってましたから。そういう意味じゃ、柴田勝頼なんか一緒にやりたいですよね。本当に金剛に入ってもらいたいナンバーワンです。ああいう男がもう一人いたほうがいいですよね」と、かつての弟子への思いを明かした。

「プロレスは戦い。そこは自分は引きたくないですね。出しゃばるつもりはないですけど、自分はこの世界に残したいものがありますから、拳王選手にも中嶋選手にもしっかり受け止めてもらいたいと思います。いろいろなスタイルはあるけど、そこを伝えていきたい」。熱い思いと揺るがぬ決意を胸に赤いコスチュームを身にまとう。