新日本プロレスジュニアの祭典「ベスト・オブ・ザ・スーパージュニア(BOSJ)」(13日に仙台サンプラザホールで開幕)に臨む鷹木信悟(36)が、既成概念を破壊する青写真を披露した。初出場での全勝優勝を目指すと同時に、IWGPジュニアヘビー級王者ドラゴン・リー(23)ではなく別の標的を見据える。果たしてその視線の先には――。

 BOSJ初出場、IWGPジュニア王座未戴冠ながら、優勝候補の一角に目されるのが鷹木だ。ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン(LIJ)に加入した昨年10月から新日プロにほぼフル参戦し、いまだ3カウント、ギブアップ負けはない。真価が問われるシングルのリーグ戦を「本領発揮の場」と位置づける。

「新日本のリングがどんなものか、ゆっくり見させてもらってたけど、令和元年とともに謙虚な姿勢は卒業する。どうせやるなら新時代にふさわしいことをやりたい。全勝での初出場、初優勝を狙いたい」

 ジュニアタッグ戦線で圧倒的な存在感を見せていた鷹木が優勝すれば、シングル王座取りの機運が一気に高まる。近年はジュニア王者以外が優勝した場合、大阪城ホール大会(6月9日)での王座挑戦が“既定ルート”になっている。

 だが「ドラゴン・リーが欠場中の(高橋)ヒロムの名前しか出さないのも面白くない。だったら無理に追いかける必要もないのかなと。無敗のまま走り抜けたら、それこそ前人未到の快挙だろ? 新日本には他のベルトもあるから、そこへの挑戦という選択肢もあるんじゃないの?」と階級の枠にとらわれない目標を掲げる。

 しかも「他のベルト」とは、飯伏幸太(36)が保持するIWGPインターコンチネンタル王座以外に考えられない。同王座には大阪城決戦で、鷹木にとってはLIJの同門になる内藤哲也(36)の挑戦が決定済みで、先シリーズも2人は激しい抗争を繰り広げた。

「同じ昭和57年生まれの内藤と飯伏の絡みを(内藤のパートナーとして)毎日、間近で見ていて感じるものもあった。正直言うと『俺も交じりてえな』って本音もあるしね」と今後の同王座戦線参入を示唆した。

「だからこそBOSJで結果を残さないといけないと思っている」。ザ・ドラゴンがいよいよ、新日マットの中心へと駒を進める。