V奪回への一手となるのか。巨人は若林晃弘内野手(30)が郡拓也捕手(25)との交換トレードで日本ハムに移籍すると11日に発表した。

 今季7年目の若林は内外野を守れるユーティリティープレーヤーなだけでなく、両打ちの器用さも兼ね備え、守備固めや代走などマルチな役割をこなしてきた。一方の郡も捕手として入団しながら投手以外の全ポジションをこなし、俊足も武器とする若き万能選手だ。

 阿部慎之助監督(44)は「いいトレードになればね。お互い二軍にいた選手が一軍に呼ばれるんだからさ。両方にとって、いいトレードだったと言えると思うよ」と期待を込めた。

 異例ともいえる万能型野手同士のトレードには大きな狙いがあったようだ。それは原前政権時からの課題の一つだった「第3捕手問題」の解決。原前監督が率いた昨季は大城卓が正捕手、2番手に岸田、そして3番手を小林とする布陣でシーズンの大半を戦い抜いた。

 ただ、出場機会が限られる3番手をベテランにするべきか、山瀬ら若手有望株を一軍に置いて経験を積ませるべきかは、たびたび議論の対象となっていた。それだけに捕手を経験してきた郡のマルチぶりは、こうした問題を一気に解決できる可能性を秘める。

 阿部監督は「緊急事態用だよね」としながらも、捕手をこなせる存在がいることで「その分、投手を入れたりもできるしさ。チームにとっては彼1人に助けられる部分があると思うからね。チームにとってはいいかなと思うね」と大歓迎だった。第3捕手の枠を撤廃することで、戦術や起用の幅が広がることは間違いない。

 これまでにも寺内や石川(現ロッテ)ら本職ではない選手たちが緊急捕手としてスタンバイしたことはあったが、郡はプロ生活の大半を捕手としてプレー。指揮官就任1年目からの頂点返り咲きへ、大きなピースとなるかもしれない。