国際水泳連盟(FINA)が昨夏の東京五輪男子競泳背泳ぎで2冠を達成したエフゲニー・リロフ(ロシア)に対して国際大会への9か月出場停止処分を下し、ロシア側が猛反発している。

 リロフは同国のプーチン大統領が3月18日にモスクワのスタジアムで開催したクリミア併合8周年記念コンサートに出席。ロシア軍の象徴とされる「Z」マークを衣服に付けていた。すでにFINAはロシアとベラルーシ選手の国際大会への出場を禁止しているが、今回はリロフ個人に対してイベント出席のペナルティーとして処分を科した格好だ。

 ロシア国営通信社「RIAノーボスチ」によると、同国のペスコフ大統領報道官は「残念ながらスポーツを政治化するこの悪質な路線が続いている。私たちのテニス選手、そして今度は国際水泳連盟だ。私たちは、これはスポーツのあり方に全く反するものだと考えている。これは最終的に国際連盟を害し、強い者が国際大会に参加する機会を得られないという損害を与える」と強い言葉でFINAの決定を非難した。

 また同国メディア「スポーツ・エクスプレス」はロシア・オリンピック委員会(ROC)のスタニスラフ・ポズドニャコフ会長によるSNSの投稿を引用。「コンサートに参加したアスリートを9か月間出場停止にすることは、笑いの種だ。国籍に基づく公然たる差別、アスリートと人の基本的権利の侵害だ」とコメントを伝えている。

 同国のアスリートを巡っては、テニスの4大大会「ウィンブルドン選手権」(6月、英国)の主催者がロシアとベラルーシ選手の除外を発表したばかり。相次ぐ措置にロシア側は反発を強めている。