体操ニッポンのエース・萱和磨(24=セントラルスポーツ)が13日、全日本選手権(群馬・高崎アリーナ)の男子決勝で個人総合初優勝を飾った。予選1位からの「完全V」を成し遂げ、所属のセントラルスポーツとしては2004年アテネ五輪の団体金メダリスト・富田洋之氏(40)以来の日本一となった。

 富田氏は日本のエースとしてアテネ五輪に出場。団体金メダルが懸かった鉄棒の最終演技者として着地を決めて栄冠を手にした。その時のNHKアナウンサー・刈屋富士雄氏の「伸身の新月面が描く放物線は、栄光への懸け橋だ!」という名実況はあまりにも有名だ。

 この演技に憧れて体操を始めた萱は「富田先生に次いで優勝できたのはすごく光栄なこと」と感慨深げに話した。優勝直後には会場で富田氏とグータッチ。この日は萱も最終種目の鉄棒で着地を止めて優勝を決めたが「もっと強くならないと、栄光の懸け橋のような素晴らしい演技はできない」と話した。

 どんなに勝っても満足しないエースは、さらにこんな思いを口にした。

「僕はどこかで栄光の懸け橋、アテネ五輪を超えて優勝したいっていう思いがある。それくらい思わないと五輪の団体で金メダルは取れない。ただ金を取りたいでは、銀になる。最終演技者の鉄棒を任され、決めなければいけない場面で決めて勝つのが僕の夢。記録にも記憶にも残るような演技を東京五輪でしたい」

 来年夏、あの伝説のアテネを超えて金メダル。その夢に向かってエースは突き進む。