銀メダルはく奪の可能性が高まった。ドーピングの国際検査機関(ITA)は14日、東京五輪の陸上男子400メートルリレーで銀メダルを獲得したチジンドゥ・ウジャ(英国)の検体から禁止薬物が検出された問題で、B検体も同結果だったと発表した。

 実際に失格になるかどうかは、国際スポーツ仲裁裁判所(CAS)の判断に委ねられる。ITAは世界陸上競技連盟のドーピング防止規則を引用し「ドーピング防止規則違反を犯した競技者がリレーチームの一員として出場した場合、リレーチームは自動的に当該競技会から失格となり、リレーチームにはすべてのタイトル、賞、メダル、ポイント、賞金・出場料の没収など、結果的にすべての影響が及ぶものとする」と説明した。

 ウジャは先月のA検体の結果を受けて暫定的に出場停止処分を受けたときに、潔白を主張していたが、失格となる可能性が高い。確定すれば、3位のカナダが銀、4位の中国は銅メダルに繰り上がる。ほかのリレーメンバーの銀メダルも幻となってしまうのは、まさに悲劇としか言いようがない。