日本政府が新型コロナウイルスの水際対策を緩和し、外国人観光客の受け入れを6月にも再開する方向で調整に入ったが、これにより大きく影響を受けそうなのが日本におけるマスク文化だ。マスク着用が習慣化している日本に、脱マスクが進む外国の観光客が数多く来たら、日本のマスク文化も変わるかもしれないというのだ。
岸田文雄首相はゴールデンウイーク(GW)中の外遊で英国を訪れ、「6月にはほかの先進7か国並みに円滑な入国が可能となるよう、水際対策をさらに緩和する」と宣言した。現在は1日1万人が上限となっているが、今後は引き上げられる見通し。5月中には小規模の団体ツアーを試験的に受け入れ、新型コロナウイルスの感染対策の効果を見極めるという。
海外からの観光客はこれまで認められていなかったが、日本経済にとってなくてはならないもの。徐々に受け入れ人数を増やしていくことになるが、問題となりそうなのはマスクだ。国によってはノーマスクのところもあれば、マスク必須の国もある。ノーマスクの国から来た観光客が、日本でマスクを着用するかどうかは疑問だ。
海外では脱マスクが進んでいる国が多いのは間違いない。韓国では、2日に屋外でのマスク着用義務が解除。欧州連合(EU)加盟国でもマスク着用義務の撤廃や緩和が行われており、米国全州でもマスク着用義務はなくなっている。
日本でマスクをしなくてもいい社会を望んでいる、ノーマスク派の50代会社員は“外圧”を歓迎。「海外からノーマスクの観光客がやって来ることで、なし崩し的に日本でもマスク着用の風潮が改められることを期待しますね」
マスクをしない外国人が日本国内を観光して回ることで、日本に住む人たちの間でも脱マスクのムードが醸成されるというわけだ。
実際に日本政府も、脱マスクを考えていないわけではない。山際大志郎新型コロナ対策担当大臣はGWの前に「外にいるときにマスクはいらないというのはその通りだ」と話していた。
「日本はマスク着用について義務にせず、お願いベースという曖昧な形にしてしまったことが今となってはよくなかったですね。義務化していれば、『義務を解除する』と宣言すれば一斉に脱マスクできるはずです。しかし義務じゃないので、マスクを取るタイミングがない」(前出のノーマスク派男性)
また本紙でも既報したように、欧米をまねて早急に脱マスクすることに警鐘を鳴らす専門家も多い。実際に東京都では8日、感染者が新たに4711人報告されたと発表したが、この数は1週間前の日曜日より1550人増えている。
今年は3年ぶりに行動制限なしのGWとなったため、多くの人が帰省や旅行を楽しんだ。確かにリバウンドへの警戒は必要だ。
そうしたなかで外国人観光客が増えるといったいどうなるのか? 旅行会社関係者は「外国人にマスクの着用をお願いしても、聞き入れる人は少ないと思う」。
水際対策を緩和するなら、新たな対策が必要になりそうだ。












