ゼロワン10日両国大会で緊急搬送され「頚髄損傷」を負った大谷晋二郎(49)に、新日本プロレスの同期・永田裕志(53)がエールを送った。

 大谷は同大会のメインでノア・杉浦貴の世界ヘビー級王座に挑戦。15分過ぎにジャーマンでコーナーのターンバックルにたたきつけられてから全く動かなくなり緊急搬送された。12日に「頚髄損傷」と診断され、13日に手術を受けることが団体から発表された。

 同大会に出場していた永田は、満身創痍の状態で戦う大谷を試合前から心配していたことを明かした。「首の状態がよくないというのは5~6年前から聞いてたんだよ。あの日も控室で『大丈夫なのか』って話をしたら『なるようにしかならない』みたいなこと言ってた。悲壮感があったというか。それほどの覚悟だったのは分かるけど、体調がついてこなかったよな。本人は本当に無念だと思うよ」と沈痛な表情で当日を振り返った。

 お互いの子供が同じ保育園に通っていた接点もあり、たわいもない会話もしていたという。永田は「治ってくれることを祈るしかないよ。プロレスの教科書に『強いレスラーは必ず家族のもとに五体満足で帰る』って書いてあるからさ。それを信じていけって思うよね」と、あえて大谷の代名詞でもあるセリフを引用して回復を祈った。

 本間朋晃や同期の中西学のように首の大ケガから競技復帰を果たした例もある。永田は「今はとにかく試合に復帰しろなんて言わないから、心を落ち着けてほしい」としながらも「奇跡的に中西学のように現役を10年近く続けた例もある。前向きに信じてますよ」と激励。

「橋本(真也)さん亡きあと、ゼロワンの看板をずっと守ってきた男を信じてます。自分の思いを吐き出していいから、とにかく前向きに頑張ってほしい。何度やられてもめげない男だからね」と、盟友への思いを語った。