逆風にさらされる団体の行方は――。今月1日付で新体制に移行したゼロワンの岩本和裕新代表(47)は、本格的な団体改革に着手する方針を示した。

 ゼロワンの運営会社は1日付で「ドリームオンステージ」から「iFD(アイエフディー)」に変更。新代表に就任した岩本氏が後楽園大会(1日)のリングに上がり「末永くよろしくお願いいたします。本日はご体調に十分配慮されながらのご観戦の方、よろしくお願いします」とあいさつした。

 新型コロナウイルスの感染拡大により各団体が自粛ムードの中、“強行開催”された後楽園大会は6試合が行われ、試合後には来年3月14日に「旗揚げ20周年大会」を東京・両国国技館で開催すると発表。2011年3月6日の10周年大会以来の両国進出となる。

 業界のみならず日本中にネガティブな言葉が飛び交うご時世で、あえて勝負に出る理由を同代表は「ゼロワンを続けていくためです。なくさないため」と説明。「節目でもあるし、みんなが一丸となる目標を持つことが大事だと思って決めました。W―1の休止? もしかしたら『明日は我が身』なのかもしれません。経済状況は何があるか分かりませんから。でも、だからこそ目標を持って選手、スタッフも一丸になろうと。来年を足がかりに、毎年国技館クラスで大会を行えるようになれば」と続けた。

 01年3月の旗揚げ以来、良くも悪くも古きよき時代のおおらかさが残るゼロワンだが「できるところからきちんとしていきます。例えば選手全員ときちんと契約書を交わして、若手も全員社会保険に入れました。選手が安心してリングに上がり、試合に集中できるところからやっていかないと」。メモリアル大会に向け、変革の時が訪れた。