女子プロレス「スターダム」のユニット「STARS」に、新日本プロレスのミスターこと永田裕志(54)が〝青義〟を注入だ。同ユニットの臨時コーチとしてアイコン・岩谷麻優(29)に英語スピーチ特訓、飯田沙耶(24)には白目特訓を敢行するなど多種多様な指導で名伯楽ぶりを発揮。一方で今後の海外戦略を見据え、両団体の関係強化も提唱した。

 過去に白目式腕固めのものまねを披露した飯田に「しょっぱい」とツイートしてスターダムファンから袋叩きにあった永田は、STARS勢から臨時コーチの依頼を受け快諾。まずは29日の東京・大田区総合体育館大会で優勝決定戦を迎える「シンデレラ・トーナメント」制覇を狙う葉月とコグマから、優勝者に贈られるドレスを着用した際のウオーキングのアドバイスを求められた。

 また「ナガダンス」の影響からか向後桃にはダンスの手ほどきを依頼され、5月5日福岡国際センター大会でSWA世界王者テクラへの挑戦を控える岩谷からは「対世界」に必要な英語スピーチの秘訣を聞かれる。

 元英語教師の喜子さんを母に持つ永田は丁寧に指導。「堂々と言えば伝わる。昔、うちにいた某選手が海外の選手と確定申告の話をしてる時に『アイ・タックス・ワッハッハ』って言って、それだけで伝わっちゃったという逸話があるくらいだから」と、某野人のエピソードも交え助言した。

 さらには新必殺技「白目式飯田橋」の習得に燃える飯田には白目の真髄を伝授。とはいえ永田の代名詞でもある白目は、もともと2006年1月東京ドーム大会で抗争相手だった村上和成への怒りが頂点に達して生まれたものだ。

「ただ顔だけをつくってやっても(感情が)伝わらなくなっちゃう」と本質を突きつけ「本当の自分の怒りというか、そういうものが顔に出た時に初めてお客さんも興奮する。別にあんな顔にならなくてもいいから、自分なりの表現をしてくれればいい」と〝後継者〟への思いを明かした。

 充実の特訓を終えるや「自分の持ってる技術ではない、哲学というかそういうものを伝えたつもり。自分の個性を押しつけるのではなく、各自の特性を生かしながら。いろんな大一番のトリを務めてきた経験が少しでも彼女たちの役に立つなら、やぶさかではないですよ」と、継続的な指導に意欲を見せつつSTARS勢の躍進に期待をかけた。

 その一方で「海外でビッグショーをやるとき、女子の試合がないと世界的に認知されない時代になってきている。日本ではお互い高め合って切磋琢磨しつつ、同じ世界を目指すグループなんだから手を組むのもありじゃないかな」と新日本とスターダムの関係強化の必要性も説いた。ミスターが両団体の懸け橋になりそうだ。