女子プロレス「センダイガールズ」の「戦場トーナメント」(11選手参加)が29日、東京・後楽園ホールで開催され、決勝戦はワールド2冠王で〝怪物〟こと橋本千紘(28)と〝裏番長〟ことDASH・チサコ(32)の激突となり、チサコがホルモンスプラッシュ2連発で初優勝を決めた。

 本来は女子プロレス界最大のカリスマ・長与千種(55)率いるマーベラス(門倉凛、桃野美桜、神童ミコト、響、Maria、星月芽依、マーシャ・スラモビッチ)との団体対抗7対7シングル勝ち抜き戦で激突する予定だったが、26日にマーベラスが練習生1名が新型コロナウイルスに感染したことを発表。急きょ今回のトーナメントに変更となった。
 
 わずか3日前にカードが白紙になりながらも、両選手はモチベーションを落とすことなくメインのリングへ。2回戦の赤井沙希(33)対岩田美香(24)戦が時間切れ引き分けに終わったため、橋本は準決勝で不戦勝。チサコも旧姓・広田さくら(42)をわずか21秒で丸め込む省エネ殺法で、お互いが万全の体調で決勝戦を迎えた。

 スタートから自在に動き回りトリッキーな攻撃を仕掛けるチサコに対し、橋本はスープレックスやラリアートなどパワー殺法全開で対抗する。しかしワンチャンスをモノにしたチサコが最上段からのスプラッシュ弾連打。団体きってのベテランの意地を見せて、優勝を決めた。

 総帥・里村明衣子(41)が限定出場のため参戦せず、しかも3日前にカードが全変更となるアクシデントも乗り越えたチサコは「すんごいプレッシャーだった。でも里村だけが仙女ではない。橋本も『新しい仙女をつくる』と言っているけど、こっちにも旗揚げから15年、仙女を支えてきた意地がある」と胸を張りつつ、今後は橋本の保持するワールド王座、同タッグ王座に照準を合わせることを宣言した。