ノアのGHCタッグ王座を保持する丸藤正道(40)とドラゴンゲートの望月成晃(50)が、業界トップの座を目指して再加速する。5日に配信が開始された「グローバルタッグリーグ」のAブロック公式戦では、清宮海斗(23)、谷口周平(43)組を下して白星発進。他団体に誕生した“ライバルチーム”を横目に、2020年のタッグ戦線を突っ走る。

 開幕を迎えたタッグリーグ戦で、望月がベテランの妙味を発揮した。強烈なラリアートで吹き飛ばされ谷口のパワーファイトに圧倒されながらも、ワイバーンキャッチ(変型ラクダ固め)の体勢には意地でも入らせない。ここから体を入れ替え、素早くラ・マヒストラルで丸め込み逆転勝利を収めた。

 ホームのドラゲー神戸大会で無観客で開催されたGHCタッグの防衛戦(4日)では、吉田隆司(37)、ディアマンテ(28)組を下してV1に成功したばかり。新型コロナウイルス感染拡大の影響で大会の中止、延期が続くなかでも結果を出した望月は「必ず全勝優勝して、GHCジュニアタッグも、(ドラゲー管轄の)ツインゲート(統一タッグ)も取ってやるから」と豪語した。

 相棒の丸藤は人ごとのように「それは本当、頑張ってください」と冗談めかしながらも、「やっぱりモッチーさんは心強い」と語り、越境コンビの絆は日増しに強まっている。GHCタッグを奪取した1月5日、早くも今年度の東京スポーツ新聞社制定「プロレス大賞」最優秀タッグ賞に“先行予約”を入れた。ところがその後、マット界に強力なライバルが出現した。

 2月21日に新日本プロレスでIWGPタッグ王座を獲得した、棚橋弘至(43)と飯伏幸太(37)の「ゴールデン☆エース」だ。望月は「あのチームは組んだだけで反則っすよ…」とボヤきつつも、先に掲げた目標を譲るつもりはさらさらない。

「丸藤さんにも神戸まで来てもらってるし、このフットワークの軽さこそがベテランと言われる“モチマル”の強みじゃないかなと。こんな1年だからこそ、夢を与えられる活躍をしたい」。タッグリーグ戦制覇は、業界の中心を狙うための通過点に他ならない。今後も団体、階級に縛られない精力的な活動で存在感を増しそうな勢いだ。