新日本プロレス25日神戸ワールド記念ホール大会で、NEVER無差別級王者のカール・アンダーソン(42)に挑戦する棚橋弘至(45)が、新たな使命に燃えている。5、6日後楽園ホール大会で、約2年半ぶりに会場での声出し応援が復活したことに発奮。全国的な解禁を視野に入れ、代名詞でもある「愛してます」の機会を増やすために、シングルベルト奪取を自らに義務づけた。
棚橋は神戸決戦で2021年5月以来、約1年4か月ぶりのNEVER奪回を狙う。「最初の一歩かな、タイトル戦線に絡む。ベルトの階段、リーグ戦の階段を一歩ずつ上がって、IWGP(世界ヘビー級王座)にたどり着きますよ。ファンが納得する過程を見せる」と、復権への足掛かりにするつもりだ。
新日本の外でも12月1日のドラディション代々木大会では、尊敬する藤波辰爾とのシングル戦が決定した。棚橋は「NEVERのベルトを巻いて、藤波さんと戦うのも最高じゃないですか。ネバーギブアップを自分のものに(笑い)。武藤(敬司)さんの引退の発表を受けて(対戦要望したこと)もそうだし、藤波、武藤、棚橋という新日本エースの系譜がここに来て動き始めるかもしれないですよ」と気持ちが高まっている。
そして何よりも棚橋に力を与えたのが、コロナ禍により国内では約2年半も失われていた歓声の復活だ。解禁初日の5日後楽園大会ではメインで勝利を飾り「愛してます」の大合唱で締めくくった。「(内藤哲也の)『デ・ハポン』で締めたかったというロスインゴファンもいっぱい(ツイッターで)つぶやいていたので、ちょっとヘコんだんですけど」と苦笑しつつも「生涯最高の『愛してます』が出ましたね。今回、シチュエーションが特殊だったんでね。一番意味のある『愛してます』だったんじゃないですかね」と胸を張った。
棚橋の代名詞でもあるマイクパフォーマンスは、2000年代の新日本再興の旗印だった。最初は失笑もされた。空席の目立つ会場もあったが、それでも日本全国で愛を叫び続けた。地道な努力の継続が実り、団体に再び黄金期を到来させた。
「『愛してます』は新日本プロレスの復活ののろしですから。そのチャンスを増やすには、王者になってメインで勝たなきゃいけない。そこは自分で勝ち取っていくのがプロレスという競技の醍醐味ですから、神戸は大事な試合になりますよね」
コロナ禍によって業界全体が苦しんできた。全国の会場で歓声が戻るのはまだ先の話だが、ようやく光が差し込んできた今だからこそ、どんな苦境にも決して諦めることなく戦ってきたエースがリングの中心に舞い戻る。












