新日本プロレス真夏の祭典「G1クライマックス」は18日東京・日本武道館でファイナルトーナメント決勝戦が行われ、前年度覇者のオカダ・カズチカ(34)がIWGP・USヘビー級王者ウィル・オスプレイ(29)を撃破し史上4人目の連覇を達成した。

 レインメーカーで33分53秒の大激闘に終止符を打ち、自身4度目のG1制覇を達成した。バックステージでオカダは「寂しいっすかね。1か月熱い戦いをしてきたなかで。でも悔いなく終われたのが一番で、うれしですね」と笑みを浮かべた。

 G1覇者に与えられるIWGP世界ヘビー級王座挑戦権利証システムには変更を要求。「権利証というシステムは10年前に僕が始めて、動いたのは1回くらいですかね? 守れてますし、ほぼ。優勝した後に、これだけの戦いをやって、権利証を守っていくって、じゃあこのG1クライマックスの価値ってなんなんだろうなって改めて思いましたし。すんなり1・4東京ドームで決定でいいんじゃないかなと。G1クライマックスの価値を上げる。もちろん権利証がなくなるわけではなく、東京ドームで挑戦する。あとは会社が考えてくれたらと思います」と、その意図を説明した。

 試合後のリング上では涙ぐむ一幕もあった。「去年もG1で、武道館で戦って『G1でもお客さんこんなに少ないんだ』って思ったなかでね。超満員にはなってないですけど、コロナ禍でも会場に来て応援してくれる、声が出せないなかで応援してくれるお客さんがこれだけ来てくれるのは感謝しかないですし。今日は熱い戦いでお返しできたんじゃないかなと思いますし。これから来月には声出しのタイミングもありますし、一歩ずつ進んでいって東京ドーム超満員にして、プロレス好きで良かったと思ってもらいたいし。もっともっといろんな人にプロレスを知ってもらいたいし。今日は感謝しかないですね」。会場にカネの雨を降らせるレインメーカーだからこそ、コロナ禍でも観客が来場してくれる重みを実感していた。

 昨年大会では優勝決定戦で飯伏幸太が試合中に負傷したためレフェリーストップという消化不良の決着に終わっていた。今年はオスプレイとの大激闘で完全燃焼した格好だが「もちろんスッキリした部分もありますし、やっぱりでも飯伏幸太と戦ってないですから。そこはまた、どこか。肩の調子がどうなのか分からないですけど、しっかりと戦って。G1は一区切りつきましたけど、飯伏幸太を倒して、まだ残ってるモヤモヤは解消するんじゃないかと思います」と、長期欠場中の飯伏との再戦の可能性にも言及していた。