スイッチブレードの青写真とは――。12日の新日本プロレス大阪城ホール大会でIWGP世界ヘビー級王者オカダ・カズチカ(34)に挑戦するジェイ・ホワイト(29)が、メモリアルイヤーの主役交代を果たす。日本マットを遠ざかっていた間に団体をけん引してきたオカダに〝リーダー失格〟の烙印を押し、ベルト奪取後の新たな光景を見据えている。

 昨年5月を最後に日本マットを離れていたジェイは、5月1日の福岡大会で約1年ぶりに帰還。王者のオカダを襲撃し、IWGP世界王座挑戦を表明した。

「俺がいない間に日本で起きたことは興味がない。米国の新日本のリングで戦って、今までの誰よりも価値のあることをやってきた。AEWや他団体で戦うことで現在のバレットクラブ(BC)を築き上げた。俺が日本にいなかったことに注目するより、世界での俺の功績を認めるべきだな」と豪語する。

 団体旗揚げ50周年のメモリアルイヤーはここまで、1月4日東京ドーム大会でIWGP世界王者となったオカダが中心に立っている。しかし、これに対してジェイは否定的な見解だ。

「日本にいること、ベルトを持っていることの2点のみでオカダがプロレス界を引っ張っているという評価は納得できない。俺はBCのリーダーとして、新日本を知らないファンに名前を広めている。より会社を大きくする活動をしているんだ」と主張する。

 さらに自身が王者となった暁には、コロナ禍で停滞した日本プロレス界に変革を呼びかける意向を持つ。「今まで従ってきたルール、観客にお願いしていた歓声の禁止、そういう部分は声を上げて変えていきたい。エンターテインメントの側面からプロレスを考えると、観客が楽しめない状況を会社が強いているのは気に入らない。それに対して声を上げる王者がいない状況にも腹が立っている。俺は〝成功のレシピ〟を知っているから、全てを変えていきたい」

 2015年の新日本入団後は道場生活を経験し、日本の文化にも一定の理解がある。そんなジェイから見ても、現在の日本のコロナ対策には強く疑問を抱いているという。「かなりナンセンスに映っている。俺の知る限り、こんなに強い規制を強いているのは世界中で日本だけだ」と問題視する。

「オカダは現状に満足して、与えられた試合をこなしているだけという印象がある。長いコロナ禍で何かを変えようと声を上げるでも、アクションを起こしてきたわけでもない。俺はやると言ったことはやる。それでも状況が変わらないならファンからも動き出すべきだと思っている」

 唯我独尊で強い信念を持つ男が新日本の、いやプロレス界の主役になる。