新日本プロレス28日幕張大会「ベスト・オブ・ザ・スーパージュニア」Aブロック公式戦で、前年度覇者の高橋ヒロム(32)がアレックス・ゼイン(35)を下し、4勝目を挙げた。

 史上初の大会3連覇と歴代単独最多4度目の優勝を狙うヒロムは、24日後楽園大会で左ヒザを徹底的に痛めつけられ、今リーグ戦初黒星。その後の公式戦でも同箇所を狙われて、泥沼の3連敗を喫していた。

 ところが、この日の対戦相手・ゼインは、ロサンゼルス五輪で山下泰裕が痛めていた右足を狙わなかったモハメド・ラシュワンばりのフェアプレー精神の持ち主だった。トップロープ・ドラゴンラナなど独創的な動きに手を焼いたが、TACOドライバーは決めさせない。コンプリートショット、ヒロムちゃんボンバー(ラリアート)、ビクトリーロイヤル(変型バスター)と怒とうの猛攻に出る。

 粘るゼインのバイシクルニーを浴び、またもTACOドライバーの体勢に入られるが、ヒロムはD(変型三角絞め)に捕獲。一度は逃れられながらも新技の旋回式カッターから再びDに捕らえて、ギブアップを奪ってみせた。

 連敗をストップさせ白星先行の4勝目を挙げたヒロムは「恐ろしい化け物が存在するもんだな。こうやって世界中に恐ろしいほどすごい選手がいる。それを知れるだけでもこのBOSJ面白いし、快感を感じれるなって日々思ってます」と充実の表情。左ヒザについても順調な回復をアピールした。

 次戦(30日、大田区)ではクラーク・コナーズと対戦する。「間違いなく力では勝てないだろうからね。いろいろ考えてるよ。隠し技、1つや2つじゃないぞ?」と、この日の勝利を呼び込んだ旋回式スタナー以外にも〝秘密兵器〟の存在を示唆していた。