東京スポーツ新聞社制定「2021年度プロレス大賞」で最優秀タッグ賞に輝いたのは、新日本プロレスのタイチ(41)、ザック・セイバーJr.(34)組だ。同団体として11年ぶりに同賞を受賞した鈴木軍の2人には国境を越えた絆がある。コロナ禍のなかでも異国でファイトを続けたザックと、その心意気に応えたタイチが、現在の思いを明かした。

 ――2人ともプロレス大賞は初受賞だ

 タイチ べ、別に…賞が取れたからうれしいとかねえし、当然だろ。前回の選考がおかしかっただけで、本当は俺らが2年連続のはずなんだって。驚きというよりは「やっとか」って感じだよ。周りの反響も含めてね。

 ザック 今回の受賞は俺のこの2年間を象徴する出来事だ。特に英国では全国紙がプロレスを取り上げないので、受賞したことをみんなとても喜んでくれたよ。

 ――新日本勢の最優秀タッグ受賞は11年ぶり

 タイチ 11年間新日本のタッグから取れなかったっていうのは事実なわけで、その歴史を俺たちが塗り替えたのは、当然のこととはいえよかったなって。はっきり言って中西(学)、ストロングマン組が最後の受賞者じゃ恥ずかしいだろ。

 ザック IWGPタッグ王座のイメージが再び高いレベルに到達したのは、俺とタイチのおかげとしか言いようがない。MMA(総合格闘技)やボクシングでは、試合が面白ければどの階級も同じように重要視される。プロレスもそうであるべきで、タッグやジュニアはもっとクローズアップされていい。

 ――昨年を振り返って

 タイチ 一番記憶に残ってるのは俺が(5月に)コロナに倒れた時だな。ザックに全て任せてたんだけど、俺が復活するまでタッグ挑戦のタイミングを待ってくれて、そのかいあってベルトを取り戻すことができた。感謝の気持ちがあるし、今回の受賞も99・5%くらいザックのおかげだと思ってるよ、俺は。

 ザック 復帰した最初の試合がタイトルマッチで、タイチは信じられないようなパフォーマンスを見せたんだ。彼の精神力の強さを示していた。とても感動的だったよ。

 ――2人には絆がある

 タイチ 性格もスタイルもコスチュームも生き方も全て真逆だったからな。逆にそれがハマったって感じかな。あとは、なんと言ってもザックがコロナ禍のなかで2年間ずっと日本に残り続けたことが大きいよ。そこでより一層絆が深まったかなって。俺は何度も「帰ってもいいんだぞ?」って言ったんだけど「日本でファイトがしたい」と言ってくれたからな。

 ザック もちろんこのパンデミック時に家族と離れるのは大変だった。特に英国の状況は厳しかった。だがプロレスラーとして、このような状況でも自分の情熱を貫けるのはとても幸運なことだ。何百万人もの人々が、命や恋人、仕事、家を失っている。だからこそ俺がここにとどまり、懸命に働くことが重要だった。この大変な時期に成功を収め、人々に幸せをもたらすことが俺のモチベーションだったんだ。

 ――1・4東京ドームではベルトを失ったが、今後の目標は

 タイチ まだ何も考えてないな。体力はあるが、気力の限界。今は今後どうしようかって話は一切してない。意見が一致してるのは、少し俺たちも休む期間が必要なのかなって。またなるようになるんじゃねえの? いつもの俺たちのように。

 ザック タイチはこう言っているが、今年こそ実現したいこともたくさんある。まずはベストテクニック賞(技能賞)が欲しい! これは毎年俺のものであるべきだ。IWGP世界ヘビー級も欲しいし、MVPも欲しい。歴史をつくりたいんだ。英国人初のG1覇者にもなって、すべてを手に入れたい。日本のプロレスの頂点に立ち、最後はタイチと富士山にも登りたいと思ってるよ。

 タイチ というかインタビューに来るの遅えんだよ! ウチもスターダムも、受賞者みんな年末年始で負けてベルト落としちまってるじゃねえか。なんかお前らのせいで負のオーラでも働いたんじゃねえか? 消すぞ、この野郎!

(1月10日に収録)

 ☆タイチ 1980年3月19日生まれ。北海道・石狩市出身。2002年12月に全日本プロレスでデビュー。退団後はフリーとなり各団体で活躍。新日本プロレスのジュニア戦線に参入すると09年4月から現在のリングネームを使用し、18年からはヘビー級に転向。NEVER無差別級王座、IWGPタッグ王座を獲得し一躍トップ戦線に。得意技はブラックメフィスト。177センチ、100キロ。

 ☆ザック・セイバー・ジュニア 1987年7月24日生まれ。英国ケント州出身。2004年3月にデビュー。11年からノアへの留学を経て米国、英国で活躍しWWEにも参戦。17年3月から新日本プロレスに参戦し鈴木軍入りを果たす。3度のIWGPタッグ王座戴冠に加え、21年はG1でも好成績を残しシングル戦線でも存在感を発揮した。得意技はジムブレイクスアームバー。183センチ、90キロ。