獣神サンダー・ライガーが気になる話題やプロレス観を語る「獣神激論」。新日本プロレス旗揚げ50周年の幕開けとなる1月4、5日東京ドーム大会直前企画として特別編を5回にわたり連載する。第4回目のテーマは、5日大会で行われるIWGP・USヘビー級王座戦だ。王者・KENTAが要求したノーDQマッチを挑戦者・棚橋弘至が受諾。大荒れ必至の王座戦をどう読み解くのか――。
 

【世界のレジェンド ライガーが語る獣神激論・特別編(第4回)】5日のセミはIWGP・USヘビー級王者のKENTA選手に棚橋弘至選手が挑みます。この試合のルールは反則裁定なしのノーDQですね。

 僕が思うに、棚橋選手の年齢を考えたらここから先のビッグマッチは「もう一つも落とせない」と思ってるんじゃないかな。1回負けてしまうと、そのままズルズルを悪い方向に行っちゃう可能性があるからね。そういう意味では棚橋選手はギリギリのところで踏ん張ってくれてるし、僕はいち棚橋ファンとして頑張ってほしいんだよね。

 これまでのキャリアがすごすぎて、棚橋選手だから当たり前みたいに見られちゃってますけど、45歳の今も東京ドームでメインどころでタイトル戦線にいるって実はすごいことですからね。まさしくプロレス界のキング・カズ(三浦知良)ですよ。それこそ引退なんかしないで、生涯現役だっていいんじゃない? 彼の師匠でもある藤波さんだって引退してないわけだからね。

 チャンピオンのKENTA選手は、棚橋選手と体格的に大きく違うわけではない。彼の気持ち次第だし、自分のキャラクターもあるは思うんだけど…。僕は真正面から行って、変なことしないで「KENTAここにあり」っていうのを試合の内容で見せてもらいたいんだけどね。本音で言うなら。

 でも、当日のルールはノーDQなわけだからね。僕の気持ちなんかお構いなしで、あの手この手でやってくると思います。でも、挑戦者サイドの棚橋選手はどうなんだろう…。彼の美学として反則を使わないんじゃないかなって思ってる。確かにルール上は反則を使ってもいいんだけど、あくまでもリングにこだわるんじゃないかなと。王道というか、正面からやり返すっていう。もちろん試合展開によってはどうなるか分からないし、そこがこの試合の面白いところだよね。最後まで目が離せない試合になると思うよ。