新日本プロレス11日姫路大会「ベスト・オブ・ザ・スーパージュニア」公式戦で、YOH(33)がSHO(32)との元パートナー対決を制し7勝目(4敗)を挙げた。

 入門から実に約9年にもわたって苦楽をともにし、名タッグ「ロッポンギ3K」で共闘してきた同期との因縁対決は、最終公式戦で実現した。今シリーズは全身白のコスチュームをまとってきたYOHだったが、この日は黒ずくめで登場。「ハウス・オブ・トーチャー(HOT)」加入後は極悪殺法で新日本マットを荒らすSHOに、いきなり奇襲を仕掛けていった。

 レフェリーと衝突させられたYOHはレンチ攻撃を回避すると、ドラゴンスープレックスで反撃。ところが無法状態のリング上にEVIL、高橋裕二郎、ディック東郷がなだれ込んで来て圧倒的な数的不利に陥ってしまう。

 しかし、ここでCHAOSから後藤洋央紀とYOSHI―HASHIが救出に訪れる。激烈一閃(合体式牛殺し)をEVILに決めるなどしてHOTのセコンドが蹴散らされると、再び1対1の戦況に。急所攻撃からのショックアローを阻止したYOHは、カウンターのトラースキックを叩き込んで一気に逆転。最後はDIRECT DRIVE(旋回式ダブルアームDDT)で乱戦に終止符を打った。

 開幕4連敗からの7連勝で勝ち点を14にまで伸ばした。さらに直後のセミでIWGPジュニアヘビー級王者のエル・デスペラードがエル・ファンタズモに敗れたため、YOHの逆転突破が確定。メインで勝利した高橋ヒロムと、自身初の優勝決定戦の舞台で激突することが決定した。

 メイン終了後のリング上に登場したYOHは「苦しみました。もがきました。真っ暗になりました。自信をなくしました。時間をもらいました。時間を返しに来ました。這いつくばりました。何かが吹っ切れました。そして、ここまで来れました。両国であなたを必ず倒します」と宣戦布告。左膝前十字靭帯断裂による長期欠場、パートナーによる裏切りと、相次いだ苦難を乗り越えた男が、ついに頂点への切符を手に入れた。