
DDTの前KO―D無差別級王者・遠藤哲哉(30)が、再起への思いを激白した。6月12日の「サイバーファイトフェスティバル」(さいたま)でノア・中嶋勝彦(34)の張り手を浴び、失神KO負け。脳振とうを起こし欠場中だったが、24日の東京・後楽園ホール大会で復帰を果たす。返上を余儀なくされたKO―D王座、そして宿敵の中嶋に今、何を思うのか――。
3日の後楽園大会に来場した遠藤は、力強く復帰を宣言。すでに先週からトレーニングとリングでの練習を再開しているという。
4団体合同興行では、レスラー人生で最大ともいえるどん底を味わった。中嶋の張り手で脳振とうを起こし、レフェリーストップ負け。直後のシリーズから欠場を余儀なくされ、保持していたKO―D王座を返上した。
取材に応じた遠藤は「リングに上がったところまでは覚えてるんですけど、記憶が戻ったのが病院のベッドの上でした。悔しいという気持ちはあるんですけど、脳振とうを起こしてしまったのは自分の弱さ。自分が負けた現実をしっかり受け入れて、復帰に向けて頑張っています」と振り返った。
アクシデントが起きた瞬間の映像も見返したそうで「僕が見た限りでは、当たりどころが悪かったというだけだと思うので…もうちょっと鍛えておけばこういう結果にならなかったんじゃないかなと。反省ですよね」と唇をかみ締めた。
ただし、DDT王者が他団体選手の張り手一発で失神したのは事実。ファンからの厳しい意見も目にした。それでも「厳しいコメントとかありましたけど、王者だった自分が背負っていた責任とか立場もある。すべてを受け入れるしかないのかなと」と潔く言い切る。
その試合でパートナーだった秋山準が中嶋に苦言を呈したことが物議を醸した。遠藤は「プロレス界のトップで激しい試合をされてきた方。DDTのコーチも兼任している立場なので、ケガに対して特に慎重になっている部分なんだと思います。秋山さんなりにDDTを守ろうと思って言ってくださった言葉だと思います」と感謝を口にした。
返上したベルトは「KING OF DDT」を制した樋口和貞の手に渡った。遠藤は「樋口が見せる景色も皆さん期待していたので。そこに最速で自分も上がっていけるように、またゼロから信頼を積み上げていかなければならない」と奪回に意欲を示す。
また、中嶋へのリベンジについては「結果として勝ち負けがついてしまったので、今回はもう僕の負け。これを線にするのか、点のままで終わらせるのかは今後のプロレス人生の大きなテーマの一つになるかなと思ってます」とした。
とにかくここからは這い上がるしかない。屈辱をバネに、遠藤の復活劇が幕を開ける。
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