DDTのKO―D無差別級王者・遠藤哲哉(30)が、団体の底上げに向け動き出す。

 V1戦(5月1日、横浜武道館)で迎え撃つ上野勇希(26)を「まだプロレスラーとしての厚みを感じない」とばっさり切り捨て「それはキャリアを重ねればいいとか、そういうわけじゃなくて経験ですよ」と付け加えた。

 デビュー10周年イヤーを迎えた遠藤はこれまで何度も挫折を味わってきた。「やっぱり竹下幸之介という存在ですよね。デビューは僕のほうが早いけど、ベルトは向こうが先に巻いた。そういうところでプロレスが嫌いにもなった」。米AEW参戦のため渡米中のエースと比較されることに苦悩し、もがき続けて今の地位を手にした。

 挑戦者に欠けているのが、まさにその「挫折」の経験だ。しかも遠藤には「団体をもっと大きくしたい」という夢があるからこそ「僕1人が防衛しても面白いのかという疑問があるので、自分でというより、みんなを巻き込んで」と所属選手のさらなるスケールアップが必要だと感じている。

 そこで「意地悪な言い方をすると、そのためには団体全員に挫折を味わわせてあげたい」とにやり。一度、プロレスが嫌いになるほど地獄を見てもらい、ひと皮むけてもらおうというわけだ。

「多分、僕は全プロレスラーの中でもいい経験をさせてもらっているけど、これ(挫折)は必要な経験だと思う」。まずはベルトを防衛し、発言に説得力を持たせる。