全日本プロレスの〝暴走専務〟こと諏訪魔(45)が、女子プロレス団体を立ち上げることが明らかになった。今月中に株式会社「Evolution」が設立され、女子練習生の新規募集を開始。全日本とも提携し、早ければ同団体の50周年記念大会となる9月18日東京・日本武道館大会でのデビューを目指す。


 メモリアルイヤーを迎えた老舗団体に新機軸が打ち出される。諏訪魔は「やっとスタートに立てたよ。当初より話が大きくなったけど、ここから形にしていくし、必死にやっていくから」と決意を新たにした。

 発端は諏訪魔と石川修司が2020年秋に立ち上げた女子プロレスラー育成プロジェクト「エボリューションガールズ(エボジョ)」だ。全日本初の女子選手デビューを目標に活動をスタート。アイスリボンの藤本つかさをアドバイザーに迎え、柔道出身の練習生を確保した。だが、21年3月の会見を最後に公式のアナウンスはなく、宙に浮いた状況が続いていた。

 諏訪魔は「練習生になった子がいたんだけど、昨年の秋に辞めてしまって…。その後も募集をする中で、生活面への不安があって一歩を踏み出せないという課題に直面した」と説明。エボジョは全日本とは別組織のため、保証がない中でデビューを目指すことがネックになったという。

 そこで、諏訪魔と石川は21年10月から全日本と業務提携を結ぶ広告代理店「ステータス」社に相談。すると趣旨に賛同してくれ、同社が新会社「Evolution」を設立することになった。

 同時に女子の新団体を立ち上げ、新たに選手募集を開始する予定だ。団体名は未定で、諏訪魔と石川は今後、プロデューサーという肩書で携わる。これまでと違い、練習生になった時点で給与が保証され、プロレスに専念できる環境を整えたという。

 諏訪魔は「全日本で女子をやることについていろいろな声はあるけど、全日本とは提携して、いい関係でやっていく。日本武道館でお披露目できたらいいなと思っていますよ」と9月18日の日本武道館大会でのデビューを目指すとした。

 女子プロ業界は「スターダム」の1強時代で、東京女子プロレスが追う状況。特に東京女子を運営するサイバーファイトの高木三四郎社長は、新規参入を狙う諏訪魔の動向に目を光らせている。

 今月下旬に予定される会見で正式発表される見込みで、いよいよベールを脱ぐ女子新団体の行方に注目が集まりそうだ。