ハヤブサさんが運命変えた事故直後に発した言葉「オレが命をかけたFMWを見捨てないでください」

2016年03月04日 16時58分

セカンドロープからムーンサルトを失敗し、頚椎を損傷したハヤブサ

 3日に、くも膜下出血で亡くなったプロレスラーのハヤブサ(享年47=本名・江崎英治)さんは2001年10月22日、FMW後楽園ホール大会の試合中に後頭部を強打し、頸椎を損傷。上下半身マヒの生活を余儀なくされた。

 

 しかし、奇跡的に短い距離を歩行できるまでに回復。車椅子生活ながら、再びリングに立つことを目指し、リハビリに励んでいた――。そんなハヤブサさんのプロレスラーの運命を変えた一戦とは?

 

「FMWで大事故発生 ハヤブサ 重傷」

「頸椎損傷で上、下半身マヒ」

「月面水爆失敗し頭から落下」

「夫人も駆けつけ必死の看病」

 

 こんな見出しが立ち並んだ2001年10月24日付の本紙は以下――。

 

【再録】FMW22日の後楽園ホール大会の社長交代マッチで、ハヤブサが後頭部を痛打して失神。そのまま病院に運ばれた。意識はハッキリしているものの、首から下の感覚がマヒしている状態。頸椎損傷との医師の診断に、関係者が病院に駆けつけた。

 

 23日午前2時すぎ、ハヤブサの精密検査の結果について荒井昌一・FMW前社長は「頸椎を損傷し、神経を圧迫しているようだ」と報道陣に説明した。精密検査は2時間に及び、レントゲン撮影やMRI検査を受けたという。ただ、どの部分が神経を圧迫し、感覚をマヒさせているのかはまだ具体的に分かっていない。ハヤブサはICU(集中治療室)で、さらに精密検査を続けていくことになった。

 

 心配された脳の腫れなどの頭部の異常は、見つからなかった。本人の意識はハッキリしており、荒井前社長に「どうもすいませんでした」と言葉をかけたという。しかし首から下の感覚がまったくないということから、かなりの重傷であることは間違いない。荒井前社長は「現状は、あまりよろしくない。年内の復帰は難しい」と話したが、レスラー生命にかかわる可能性さえある。

 

 事故が起きたのは試合の13分すぎだった。マンモス・佐々木からペースを奪い、これからハヤブサの空中殺法が炸裂するかと思われた矢先だった。

 

 セカンドロープからムーンサルトを放とうとした瞬間、ハヤブサは足を滑らせ、そのまま落下。落ちた瞬間、鈍い音がそて、そのままハヤブサの体はピクリとも動かなかくなった。

 

 異変を察知したマーティー浅見レフェリーは試合を止め、すぐさま救急車を呼んだ。

 

 救急車が到着するまでの15分余り、ハヤブサは関係者やファンに囲まれたリング上でピクリとも動くことができない。

 

 やがて、わずかに意識を取り戻すと、関係者にマイクを要求し「みんなごめんなさい。オレが命をかけたFMWを見捨てないでください」と気丈に言い残した。

 

 病院には荒井前社長のほかに関係者や対戦者のマンモス・佐々木ら選手、自宅から晴美夫人も駆けつけた。命に別条がなかったのは幸いだった。