セ・リーグ5位の巨人の2年ぶりリーグ優勝がいよいよ消えかかっている。リーグV奪還と10年ぶり日本一を掲げて臨んだ今季だったが、数字的にかろうじて残っている状態。現実的に今後は下克上での日本一を目指し、CS進出からの突破に切り替えていくしかない。そんな伝統球団の現状に本紙専属評論家の大下剛史氏は「人心一新のためには信賞必罰が必要」とコーチ陣への大ナタの必要性を説いた。

 12日のDeNA戦(横浜)に、ヤクルトが勝つか引き分けで巨人のV完全消滅が決まるところだったが、敗れたことで首の皮一枚つながった。

 それでも依然として風前のともしびであることに変わりはない。今後は3位・阪神との2ゲーム差を追いかけ、CS出場を念頭に戦っていくことになるが、大下氏は「巨人が強くないと野球界が盛り上がらない。強い巨人を各球団が戦略の限りを尽くして倒すのが本来あるべき姿」として奮起を促した。

 では、来季はどこから手をつけるべきなのか。大下氏は「昨年は借金1の3位だったが今季はそれ以上に苦しんだ。野球はやっぱり投手。その成績が昨季より下降している」と指摘。今季は若手投手を積極的に起用したこともあり、昨季のチーム防御率3・63(セ4位)、589失点(セ4位)からチーム防御率3・77(セ6位)、551失点(セ6位)とリーグワーストの成績になった。

 投手成績の低下がチーム成績に直結した。好調だった攻撃陣も坂本ら主力の離脱、岡本和の不調もあり得点力は下降線をたどった。5月からは4か月連続負け越しと最大11あった貯金はアッという間に底をついた。

 今季の低迷の原因の一つとして大下氏は「このような結果が出た以上、コーチもそれなりに責任をとる必要がある。昨年、気になったのは一軍首脳陣の顔ぶれがほとんど変わらなかったこと。選手はそういうところを見ている」と責任の所在のあいまいさを感じているという。

 実際、昨季終了時の一軍コーチでユニホームを脱いだのは宮本和知投手チーフコーチ(現球団社長付アドバイザー)と吉村禎章作戦コーチ(現国際部長)の2人のみ。他は相川亮二バッテリーコーチがDeNAに移籍し、後藤孝志野手チーフコーチが三軍へ配置転換となったが元木、桑田、阿部3コーチはそのままチーフコーチとなった。

「選手は成績が悪ければクビになる。コーチも1年1年が勝負という気持ちを見せないと。人心一新には信賞必罰が必要。球団としてどのように責任を明確化するのかを注視する」と大下氏は目を見開いた。広島でコーチ、ヘッドコーチを歴任し、常勝時代の巨人とシノギを削った大下氏の直言は果たして現体制に届くか。