【赤堀元之コラム】ノホホン投手陣で夜はお決まりコース

2022年08月05日 11時00分

仲が良かった佐野(手前)ら近鉄投手陣(東スポWeb)
仲が良かった佐野(手前)ら近鉄投手陣(東スポWeb)

【赤堀元之 〝猛牛〟世紀末守護神(15)】 近鉄は先輩にも恵まれ、居心地が良かったです。思ったよりガツガツ来るような人がいなくて、ノホホンって(笑い)。

 活躍していたころは高村祐さん、野茂英雄さん、小池秀郎さん、佐野重樹さん、池上誠一さん…みんなでいつもご飯に行っていました。遠征先で楽しかったのは東京もいいけど、博多。もつ鍋、ギョーザとお決まりのコースで、女の子の店やカラオケスナックみたいなとこに行って…どこ行ってもそのメンバーで動いていました。先輩に連れていってもらうのが楽しいし、今みたいにSNSに上げられることもない。野茂さんは人気選手なので部屋を貸し切ったり、お店の人が気を使って僕らだけにしてくれたり…。

 酔っぱらうことはあってもめちゃくちゃすることはなかったですよ。高村さんなんかいくら飲んでも酔わないし、僕はあまり飲めない方で酔うと眠くなる。野球の話はしないです。監督や球団の悪口は言いますけどね(笑い)。門限もあってないようなものでみんな帰ってこない。球団もグラウンドでしっかりやってくれればいいという感じだったと思います。

 野手は野手で別で動いていて、金村義明さん、村上隆行さん、吉田剛さん、鈴木貴久さん、山下和彦さんとか、こっちの方が豪快に飲んでいたと思います。女性好きもいるし、宿舎の部屋に連れ込んでた人もいたと思いますよ(笑い)。裏から入ったり、時間差で呼んだり…。部屋が狭くて壁が薄いっていうんで、同じホテルの別の部屋を取ったりする人もいました。2部屋分の精算になるわけだけど、そこはフロントの人もうまくやってくれるというか…(笑い)。

 近鉄だから女子アナとのコンパなんかないですもん。有名芸能人との接点もないし、それに僕が女性に奥手というか…。高校まで付き合ったこともなくて女性とうまく話せなかったんですよ。プロに入って女性のいる店に連れていってもらってだんだん覚えていったという。社会勉強っすね。横できれいなオネエちゃんがドリンクを作ってくれても緊張して…。佐野さんなんかはトークも得意で女の子を楽しませるのがうまいんで、それ見てだんだん僕も慣れていった感じっすね。

 一軍にいたら飲みに連れていってもらえるし、勉強にもなる。1991年、右手に強襲の打球を受けた時も翌日から東京遠征だったので、病院に向かうタクシーの中で「折れていたら東京で遊びに連れていってもらえない…」と考えたくらいですもん(笑い)。

 新人から藤井寺球場裏にあった寮生活。一軍で活躍するようになると4年後には退寮してくれと言われた。規則も厳しくないし、寝食あるのになんで出なきゃいけないんだって思いました。飯もうまかったし、もっといたかったくらいで…。もうすべてが順調でした。でも先輩の中には怖そうな人もいました。

 ☆あかほり・もとゆき 1970年4月7日、静岡県藤枝市生まれ。静岡高のエースとして2年夏に甲子園に出場し、88年のドラフト4位で近鉄に入団。リリーバーとして頭角を現し、4年目の92年に最優秀救援投手と最優秀防御率をダブル獲得。92~94年、96~97年と5度の最優秀救援投手に輝いた。その後は故障に苦しみ、2004年に引退。指導者としてオリックス、ヤクルト、中日、韓国SKで投手コーチ、BCリーグ・新潟で監督を務めた。22年から関メディベースボール学院でコーチをしながらテレビ解説者としても活躍している。

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