【柏原純一「烈眼」】阪神が巨人に連勝した13、14日の戦いで「一塁」が注目スポットになった。13日に右脚故障から復帰したマルテが復帰戦で故障を再発させ、14日に再び登録抹消。直前にそれまで一塁を守っていた主砲・大山もコロナ感染の濃厚接触者になり、登録を抹消していただけに、打力が見込める2人が不在となる事態は、首脳陣にとっては〝想定外〟だったはずだ。

 ただ、そんななかでもこの2試合を「勝ち」で終えたことは大きい。急きょ、一塁で起用した糸原も打球を直接処理する機会はなかったが、内野手の送球を幾度となく受け、結果、チームとして無失策で終えた。次戦以降、一塁起用されたとしても、さらに落ち着いて臨めるはずだ。

 もともと高いとはいえない得点力を考えれば「一塁手」に、やはり長打力に秀でた打者を使いたい気持ちは、もちろん理解できる。ただ、先発・中継ぎともに防御率2点台の計算できる投手陣がいるのであれば「戦い方」はその限りではない。不運な抹消で離脱中の大山が戻るまでには、そんなに時間はかからないだろうし、大山が「一塁」に復帰さえできれば、6月14勝8敗1分けと好調だったときの試合運びは十分に可能だ。

 今後の上位進出を見据えたとき、もう「外国人野手」に依存した起用方針はもう得策ではないように感じる。マルテは長期離脱となったが、もう1人いる。一塁を守る外国人選手として、新たにアデルリン・ロドリゲスが加わり、ファームでの実戦調整を終えれば、いずれは一軍で起用されることだろう。

 ただし、残り試合を考えれば〝テスト〟に割ける打席は多くない。余程のインパクトを残さない限り、常時スタメンの可能性が低いのであれば、外国人抜きの〝和製オーダー〟を軸に残り試合を戦うのも一考だ。

 14日にはロハスが7回にダメ押し弾を放つなど、助っ人選手の「長所」が出た形だが、その逆の側面も頭に入れておくべきだろう。ロハスにしても、ロドリゲスにしても決して、守備力は高くはない。東京ドームや神宮、横浜など、本塁打が出やすい球場に限るなど、起用法にも工夫が必要だ。3連戦で巨人の左翼・ウォーカーが再三、拙い守備を見せていたが、これは〝対岸の火事〟ではない。

 質量ともにレベルの高い投手陣が控えているだけに、接戦で打撃が専門の外国人選手の「守備力」が明暗を分ける形で、白星を逃がす展開だけは避けたい。本拠地・甲子園は本塁打が出にくく、外野天然芝、内野が土の脚力が必要なグラウンド。自分たちの「庭」に沿った戦い方こそが、最も残り試合で白星を数多く拾える方策のような気がしてならない。(野球評論家)