【ソフトバンク】育成選手が高頻度で戦力化する理由 「他球団ならお断り」の原石が集結

2022年07月06日 06時15分

6勝目をマークした大関友久(東スポWeb)
6勝目をマークした大関友久(東スポWeb)

 4軍制への歩みを進める「育成王国」の好サイクルに拍車がかかっている。首位・ソフトバンクは5日の2位・楽天戦(弘前)に6―2の快勝。ゲーム差を今季最大の3・5に広げた。

 勝利の立役者は6回2失点でチームトップタイの6勝目をマークした大関友久(24)と、制球に苦しむ左腕を根気強くリードし、中押しの3号2ランを含むマルチ安打で躍動した渡辺陸捕手(21)の2人だった。大関は2019年育成ドラフト2位、渡辺は18年の育成ドラフト1位指名選手。昨年に支配下登録を勝ち取った「育成出身バッテリー」が、新型コロナ禍で主力離脱が相次ぐチームを力強くけん引した。

 藤本監督が「左のエース」と称す大関は先発ローテーションに定着。防御率2・01という数字が物語るようにチームの躍進を支えている。渡辺はプロ初スタメンを飾った5月28日の広島戦で森下から2打席連続アーチ。その衝撃から「大物感」を漂わせ、期待値を押し上げている。

〝第1世代〟の千賀、甲斐、牧原大に続き、その後も大竹耕、周東、リチャードらをコンスタントに輩出してきた鷹の育成組。そこに昨年昇格した大関と渡辺が成功例として続く意義は計り知れない。

 あるパ・リーグ球団の編成幹部は感嘆の声を上げる。「まさに好循環。待遇面などで敬遠されがちな育成指名であっても『ソフトバンクならOK』という傾向がさらに強まる」。育成入団は選手だけでなく、送り出す指導者や親族も二の足を踏む。だが、ホークスは資金を投じてソフト、ハード両面で好環境を整備。高頻度で育成出身の成功例を出すことで「他球団の育成ならお断りだが、ソフトバンクならOK」という〝一人勝ち〟状態を加速させている。

「育成王国」のブランド化が進むことで、質の高い原石がさらに集まりやすくなる。弘前での勝利は、会心だったはずだ。

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