最下位に沈む立浪竜がもがき苦しんでいる。

 中日は24日の阪神戦(甲子園)に4-6で3連敗を喫し、借金は今季ワーストの9となった。不動の4番を務めるビシエドが古傷である左肩の痛みが再発し、21日に抹消。打線の柱が不在となり、立浪和義監督(52)は〝あの手この手〟で采配を振るうも実らなかった。

 この日は捕手の木下をプロ入り初の4番でスタメン起用。中日では「4番・捕手」の先発出場は2002年の谷繁以来、20年ぶりの抜てきとなった。さらに相手先発の青柳対策として、木下以外は先発の大野雄を含む左打者をズラリ8人も並べ、この日一軍に上げたばかりの石岡を3番、山下を5番といきなりクリーンアップに据える大胆なオーダーで挑んだ。

 その石岡はプロ初打点となる適時打を含む2安打をマーク。8回には代打・三ツ俣が同点となる2点適時打を放ったが、その裏に3番手・清水が代打・梅野に痛恨の勝ち越し2点適時打を浴びた。

 初回には二死三塁の好機で三走の大島がホームスチールを試みる場面もあったものの憤死。立浪監督は「なかなか青柳投手から点が取れないということが分かっていた。焦ったわけではないが結果、アウトになったのでこっちのミスですね」と悔しがった。

 ここにきてA・マルティネスに不安材料が発覚。右打者でスタメン落ちしたかと思いきや指揮官は「あまり手の状態が良くないので。明日はちょっと分からないですけど」と明かし、25日以降も出場できるかは見通せない状況。ビシエドに続き、A・マルティネスまで離脱となれば、立浪竜にとって大きな痛手となるのは間違いない。

 チーム関係者は「セ・リーグワースト記録となる開幕9連敗で、あれだけチーム状態の悪かった阪神がいつの間にか浮上して、ウチが最下位に転落してしまったのは悔しすぎる。立浪監督は何とかしようと必死になっていろいろやっているけど、とにかくあとは結果がほしい」と切実に話す。

 このチームの非常事態に立浪采配がどうやって巻き返すか注目だ。