【赤坂英一 赤ペン!!】 これでオールスターの見どころが増えたんじゃないか。

 ロッテ・佐々木朗希が巨人・岡本和に今季初めて本塁打を打たれ、ついでに今季初黒星もつけられた3日の試合を見ていて、そう思った。

 球宴ファン投票の中間発表では、佐々木朗はパ先発投手部門でダントツ。岡本和はセ三塁手部門の2位だが、今季は本塁打、打点でリーグトップを争っている実績から、監督推薦で球宴に出場するのは確実だ。

 岡本和と佐々木朗の対決はオープン戦で満塁本塁打、先日の公式戦で初本塁打と、岡本和が“2連勝中”。球宴で3度目の対決が実現する可能性は高く“令和の怪物”のリベンジなるか、巨人の主砲が打ち崩すか、大いに注目される。

 2人の真っ向勝負は「平成の名勝負」とうたわれた野茂英雄と清原和博の対決を彷彿(ほうふつ)とさせる。
 野茂は佐々木朗と同様に速球とフォークが勝負球、清原も岡本和のような4番の長距離砲。1986年西武入団の清原の契約金が高校生としては破格の8000万円で、90年近鉄入団の野茂が当時史上最高額の契約金1億2000万円(金額はいずれも推定)。そんな2人の初対決は90年4月10日に実現し、野茂が清原を空振り三振に仕留めた。

 ただし、この日の野茂は調子が悪く、決め球の真っすぐは140キロにも届かず。清原は試合後に「きょうは(1億2000万円のうち)7000万ぐらいの野茂やな」と発言。その後、「最高の真っすぐで勝負しろ」と野茂に呼びかけている。

 野茂がメジャーリーグへ去った94年までの5年間で対戦成績は118打数42安打、打率3割5分6厘と清原が圧倒し、10本塁打も記録した。

 一方、野茂が清原から奪った三振は34個。清原が常に求めた真っすぐ勝負に、野茂が真っ向から応えた結果と言える。

 そんな野茂を、90年の球宴では当時中日の落合博満が「フォーク頼みのオジンくさい投球をする」と挑発。これが頭にきたのか、野茂は落合に真っすぐを投げ、落合は見事に本塁打にしている。
 時がたった今、野茂と清原、落合の対決は球史の1ページ。佐々木朗と岡本和にも新たな「令和の名勝負」の歴史をつくってほしいものである。

 ただ、気になるのは、佐々木朗が球宴までに本調子を取り戻せるかどうか。3日の巨人戦は序盤から真っすぐがシュート回転しており、疲れがたまっているのは明らか。球宴前にまた先発を1回飛ばし、休ませたほうがいいかもしれない。

 ☆あかさか・えいいち 1963年、広島県出身。法政大卒。日本文藝家協会会員。最近、Yahoo!ニュース公式コメンテーターに就任。コメントに「参考になった」をポチッとお願いします。「最後のクジラ 大洋ホエールズ・田代富雄の野球人生」「プロ野球二軍監督」(講談社)など著作が電子書籍で発売中。「失われた甲子園」(同)が第15回新潮ドキュメント賞ノミネート。他に「すごい!広島カープ」「2番打者論」(PHP研究所)など。