阪神・矢野燿大監督(53)が2日の西武戦(甲子園)で、大山悠輔内野手(27)へ犠打のサインを出した。チームの主砲を長く担ってきた背番号3が公式戦で犠打を決めたのは2年ぶり。

 先発選手全員が安打をマークしたこの日のゲームだったが、阪神打線は再三のチャンスを逃し続け拙攻が続くジリジリした展開。6回終了時点で既に12安打をマークしていたが、挙げられた得点は敵失にも助けられた4回の3点のみ。西武打線に3―1と追い上げられ、球場内に嫌なムードが漂い出した中、矢野監督もついに、なりふり構わぬ姿勢を見せた。

 先頭・近本の中前打などで無死一、二塁のチャンスをつくった7回だ。打席には前戦で9号3ランを放つなど打撃好調の主砲・大山。喉から手が出るほど追加点が欲しかった阪神ベンチは、ここで送りバントの指示を出す。バットを寝かせた大山の姿に球場がざわつく中、背番号3はカウント1―0から見事に三塁線へ打球を転がし、一死二、三塁と好機を拡大することに成功。続く糸原がこれに応え、右前2点適時打をマークしたため、ついに阪神は待望の追加点をゲットした。

 矢野監督は「なかなか点をとれない中、こういう野球をやっていく必要もあると思う。チーム全体が勝つ、みんなが生きるというところ。これからもあるだろうし、悠輔も一発でしっかり決めるのは簡単ではないが、いい形にしてくれた」と当該の一幕を振り返り、大山の〝仕事〟を称賛。5―1と戦局を決定づけることに成功した糸原も試合後、「悠輔がキッチリ送ってくれたので意地でも返してやろうと思っていた」と白い歯を見せた。

 前戦で救援登板していた湯浅、岩崎らの勝ちパターン継投陣も、リードが広がったことで連投を避けることができた。チームも最終的には6―1で勝利し2カード連続の勝ち越し。交流戦もここまで5勝4敗と健闘中だ。翌3日からは新庄ビッグボス率いる日本ハムを本拠地に迎えた3連戦。「新庄監督に注目も集まると思う。自分たちも超積極的に行く。まずは自分たちの野球をやっていきたい」と指揮官は力を込めた。