「ガラポン打線」もいよいよ見納めか。日本ハムの新庄剛志監督(50)が10日のオリックス戦(札幌ドーム)前に自軍打線について言及。今後は球団期待の清宮幸太郎内野手(22)、野村佑希内野手(21)、万波中正外野手(22)の3人を積極的に中軸で起用していく方針を明かした。

 現在チームは借金「14」でリーグ最下位に低迷。首位を走る楽天とは16ゲーム差、3位の西武とは7・5差と早くもリーグ優勝どころかCS圏内の3位狙いも厳しい状況に置かれている。だが、ビッグボスはこの窮地でも落ち込む気配はない。むしろ気持ちは以前より前向きで、今後はこれまで試行錯誤を重ねてきた策を具現化していくという。その一つが中軸の「固定」だ。

 日本ハムと言えば、開幕直後から「レギュラー横一線」のもと日替わり打線を形成。時には〝ガラポン〟を使ってスタメンを決めるなど新庄監督ですら予測不能な布陣で試合に臨むことも珍しくなかった。今後はこうした奇抜なアイデアは陰を潜める可能性が高い。

 ビッグボスはこの日清宮を3番、野村を4番、万波を5番に据えた上で、理想的な打線の中核についてこう話す。

「この3人が(本塁打を)25~30発くらい打てる。この3人が中軸に固まってくれたら面白いなと思う。その中で争いをしてレギュラー以外のベンチにいる子たちも粒ぞろいでね。それでちょっと腰が張ったりとか、アクシデントがあった時にポンって(誰かを)はめ込んでもそう変わらないっていう。(これまで)すごい試してるから『さあ、どういうふうにしていこうか』って。もう代えるのは1人ぐらいっていうチームになった時は強い。だから成績どうこうじゃなく(これからは)固めていって…」

 そんな指揮官の思い描く青写真に少しでも近づこうと奮起したのか。この日の清宮は4打数無安打も、野村は4回無死一塁の第2打席で左翼席中段に3号2ラン。万波も第2打席で中堅フェンス超えあと一歩の特大二塁打を放った。まだ粗削りな面があるとはいえ、若き長距離砲の面々は着実に成長しつつある。

 負けが込んでも、チームの土台作りは着々と進む日本ハム。ガラポンに頼らない強固な中軸がビッグボス打線を救う日も近いか。