金満軍団を粉砕した〝格安王者〟が、メジャーの勢力図まで塗り替えるのか。ブルワーズは今季、レギュラーシーズンでメジャー最多の103勝を挙げ、ポストシーズンも11勝2敗と快進撃。ナ・リーグ優勝決定シリーズでは2連覇中のドジャースを4連勝で一蹴し、ワールドシリーズでもレイズを4勝1敗で退けて球団初の世界一に輝いた。だが、この快挙は序章にすぎないという見方が浮上している。

 米メディア「ファンサイデッド」は30日(日本時間31日)、ブルワーズがMLBの新たな「王朝」を築く可能性を特集。その最大の根拠として挙げたのが、若い主力を長期間にわたり低コストで抱えられる強みだ。
 
 世界一を支えた剛腕ジェーコブ・ミジオロウスキーのFA取得は2031年、二塁手ブライス・トゥラングも29年の見込み。外野手ジャクソン・チョウリオは球団オプションを含めれば33年まで保有できる。遊撃手クーパー・プラットや救援右腕アブナー・ウリベらも当面はFAと無縁。中核の大半が30歳未満で、黄金期を支える骨格がすでに固まっているという。

 加えて、選手育成の〝補給路〟も太い。傘下には19歳の有望内野手ヘスス・マデ、ルイス・ペーニャらが控え、マデには来季中のメジャー昇格も期待される。スターが去っても次のスターが現れる循環こそ、資金力で勝る球団への対抗策だ。

 もっとも、ブランドン・ウッドラフやジェイク・バウアーズは今オフにFAとなり、ウィリアム・コントレラスやトレバー・メギルも来オフに控える。それでも過去にはジョシュ・ヘイダー(アストロズ)、コービン・バーンズ(ダイヤモンドバックス)、デビン・ウィリアムズ(メッツ)ら大物をトレードで放出しながら戦力を再構築。直近9年間で8度のプレーオフ進出、6度の地区優勝を成し遂げた。マット・アーノルド編成本部長の手腕への信頼は揺るがない。

 潤沢な資金でスターを集めるドジャースにとって、今季4連敗を喫した宿敵は来季も厄介な壁となりそうだ。〝低予算王朝〟の誕生は、大リーグの勢力図を根底から覆すことになるのか。