1試合19奪三振のプロ野球記録を持つ野球評論家の野田浩司氏(54)もロッテ・佐々木朗の快挙に舌を巻いた。テレビ観戦していた野田氏は「10三振から13三振まで行った時、これは21くらい行くんじゃないかと思った」とドキドキしながら見ていたという。

「体調もよかったと思うし、コントロールがよかった。角度あるまっすぐを打ちに行ってファウルになる。まっすぐのイメージで打ちにいって、あれだけ腕を振ったフォークでしょ。オリックスは最後までタイミングが取れなかった。ノーチャンスの空振りだった。惜しい当たりもなかった」と分析。

 野田氏はオリックス時代の1995年4月21日、同じ千葉でのロッテ戦で海風を味方につけて記録をマークしたが、この日の佐々木朗には「あの球投げていたら風は関係ない。しかも完全試合ですから、全然俺なんかと違いますよ。俺は勝てなかったもん」と自嘲気味に笑うしかなかった。

 27年間も単独の記録保持が続いたが「三振を取るには球数が増えるから今の時代は難しい。今日みたいに走者を出さなければできる。いつかは抜かれると思うところもあった。佐々木に抜かれるんじゃないか、という話は最近もしていたし、佐々木が昨年夏くらいからすごい球だな、と思うようになった。今年のオープン戦も〝これは当たらんわ〟と思うくらい球が来ていた」と成長を感じ〝覚悟〟もしていたという。
 
 野田氏は「160キロを越すボールを投げるわけだから、肩、肘に不安がくる。故障に気をつけてもらいたい」と呼び掛け「投手でお客を呼べる。ワクワクできる投手ってなかなかいない。球数を少なくして力でねじ込む。(山本)由伸と違った凄さがある」と今後も球史を塗り替える活躍に期待した。