巨人ナインに2021年最大の衝撃を与えた “精神的支柱” の喪失 亀井の引退表明にも影響

2021年12月29日 18時00分

左から巨人・中島、亀井、炭谷、ウィーラー(東スポWeb)
左から巨人・中島、亀井、炭谷、ウィーラー(東スポWeb)

【2021プロ野球残念案件】新型コロナにケガと度重なる主力の離脱で、誤算続きとなった2021年のジャイアンツ。そんなシーズン中、ナインたちにもっとも衝撃を与えたのが、炭谷銀仁朗捕手(34=現楽天)の電撃トレードだった。

 首位・阪神を2位で追っていた7月4日のヤクルト戦前、神宮球場クラブハウスで原辰徳監督(63)がナインに衝撃の事実を告げた。炭谷の楽天への金銭トレードが成立。スーツ姿でナインにあいさつする炭谷の様子は、球団公式ドキュメンタリー「Giants―Inside」(DAZN)で放映された。

「チームが首位争い、日本一に向かって走っている中、自分のわがままでこういう形となり申し訳ありません」とスーツ姿で頭を下げる炭谷の姿を、Gナインはぼうぜんと見つめるしかなかった。

「ジャイアンツに来て2年半、ジャイアンツのユニホームを着てみんなと戦えたこと、首脳陣の皆さんに指導してもらったことは私にとって宝物です」(炭谷)。この当時、今年5月に今季限りでの引退を決断た亀井善行外野守備走塁コーチ(39)も、球団と話し合うつもりだった。だが、炭谷から移籍の相談を受けていた亀井コーチは自身の去就を9月まで先送りにした。
 
 それだけチームへの影響は大きかった。巨人史上初となるFA選手のシーズン途中でのトレード。19年オフに西武からFAで加入した炭谷は今年までプロ野球選手会会長を4年間務めた。チーム内でも炭谷を慕う松原、岸田、増田大ら若手は「炭谷カンパニー」と呼ばれ、頼れる兄貴分として欠かせない存在となっていた。

 炭谷にも葛藤があった。出場機会を求めて巨人の門を叩いたが、小林の存在と大城の台頭もあり19年58試合、20年56試合と正捕手にはなれず。契約最終年の今季もトレード時点で77試合で出場44試合だった。

 このままシーズンを終えれば選手としてのキャリアが終わりかねない。何より楽天投手陣には岸、涌井ら西武時代の同僚がおり、日本復帰の田中将も正捕手不在に悩んでいた。炭谷は原監督に自身の希望を伝えた。
 
 新天地で炭谷は66試合中51試合と正捕手として活躍。打率2割1分9厘、3本塁打、8打点もリードなど守備面でパ3位に貢献した。

 一方、巨人は小林の出場機会が増えたものの、打率0割9分3厘と低迷。さらに大城の打撃まで落ち込んだ終盤の10連敗時、頼れるベテランを欠くことになった。積極的なトレードで選手を生かす原監督の決断は、結果的にチームに大きな喪失感をもたらすことになった。

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