阪神が契約合意間近の今季の韓国2冠王、メル・ロハス・ジュニア外野手(30=韓国KT)についてメジャースカウト関係者が〝奔放のススメ〟を説いている。
阪神と同様にロハスの獲得調査に動いたこのスカウトは、今季限りで退団した元大リーガーのボーアを引き合いに性格面の違いをこう分析する。「ロハスはプレー以外であまり縛らない方がいいタイプ。毎日、いかに気分よくグラウンドに出してあげるか。不調時は技術的なことをとやかく言うのではなく、気分を盛り上げることだけを言った方がいいタイプ」。不調時にコーチや同僚に助言を求めたボーアとは違う操縦術を準備しておくべきという。
なかでもポイントになるのが「規律」だ。2017年WBCドミニカ共和国代表にも選ばれたロハスは、そもそも陽気なラテン系。規則でがんじがらめに縛るのはかえってマイナスになる。ユニホームの着こなしなど、個性やこだわりが反映される部分は極力、好きにさせてあげるべきという。
「トレードマークなのか分からないけど、ロハスは17年に韓国に行ってから、ずっとヒゲを蓄えてプレーしている。それまでは(メジャー傘下の)3Aで規律もあり、メジャーのように身なりも道具も自由っていう環境ではなかった。彼にとってアジアでのプレーは名誉よりも『自分を出しやすい』チームが理想なんだと思う」(同前)
日本行きを巡って、ロハスは条件的に同等だった「巨人か阪神」の二者択一で悩んだとされる。仮に巨人を選べば「紳士たれ」の球団訓のもと外国人選手であれ、ヒゲは基本的にNG。生やしたままのプレーは許されなかっただろう。それだけにドレスコードの寛容性は今後もモチベーションに関わる重要案件となっても不思議ではない。
ロハスは韓国メディアに対して、阪神入団の決め手を「家族も含めた環境」と語っていた。シーズン通じて快適な居心地の供給が活力の源となりそうだ。