4位・西武は9日の3位・楽天戦(楽天生命)に5―2で勝利し、その差を0・5ゲームに縮めた。楽天戦はこれで6連勝(10勝7敗1分け)。

 勝因は2回、同点打を放った金子の挟殺プレーの間に三進していた外崎が本塁を陥れるソツのない走塁だった。一方で投手陣も先発・ニールが6回を5安打2失点。その後を宮川―森脇―増田の必勝リレーで逃げ切り3位・楽天のしっぽを捕まえた。

 特に現在、パ・リーグ打撃2冠王(29本塁打、93打点)の浅村栄斗内野手(29)に対しては初回無死一、二塁の場面で内角ツーシームで遊併殺、3回一死、高めのカーブで中飛。5回二死、外角カットボールで空振り三振。そして、8回一死二塁の場面では外角カットボールで二ゴロに仕留め、ニールと森脇が「4打数無安打1奪三振」と全く仕事をさせず、これで前回対戦(9月25~27日、メットライフ)からの対戦成績を4戦15打数無安打8三振とした。

 その前の8月30日(楽天生命)の2打数無安打1三振を含めると、ここ5試合の対戦成績は計17打数無安打9三振となり、それまで対戦打率が3割超だった天敵を完璧に封じ込めている。

 浅村に対しては「内角を意識させた上で」左右、高低、緩急での揺さぶりを状況によって使い分ける西武バッテリーが心理戦で勝利している。主戦捕手・森が時に一球も内角球を使わずにそれを意識付け、相手の心理を手玉に取っている。

 もちろん、その狙いのひとつは外角球を逆方向に長打にできる浅村を踏み込ませないための対策だろう。この日も実際に浅村の内角を突いた球は第1打席での3球だけで、残り3打席の全10球は全て外角中心の配球。前回からの流れ、1打席目での残像を利用しリーグ2冠王を完璧に眠らせている。