SB柳田 川村さん追悼の声出し「野球ができることに感謝」 一夜明け激戦制す

2020年09月17日 21時15分

ソフトバンク・柳田が円陣で声出し

 首位ソフトバンクが17日の日本ハム戦(札幌ドーム)に2―1で競り勝った。

 三軍コンデイショニング担当だった川村隆史さん(享年55)が前日(16日)に急逝。計り知れないショックの中、全員が喪章をつけて臨んだ。試合前の円陣、恒例の声出しで指名役の松田宣は柳田をリクエスト。普段は気恥ずかしそうに出てくる大砲の顔は真剣だった。「野球ができることに感謝して、今日も一生懸命プレーして、絶対勝ちましょう!」。生粋の野球小僧はシンプルに、ストレートに言葉を絞り出した。懇意にしていた中村晃、松田宣…、選手それぞれに思い出がある。柳田もまた川村さんを思い浮かべていたに違いない。

 先発・東浜も川村さんとは深い交流があった。練習ではよく肩を並べて走ってもらった。勝負の機微や節目を誰よりも意識する男。この日のマウンドには、その真骨頂が凝縮されていた。負けられない――。相手左腕・上原は沖縄・うるま市出身の同郷の後輩。終盤まで互いに0を並べる白熱の投手戦で、先に点を与えないという気迫があふれた。戦前「ポイントゲッターの前に走者を置かない」と警戒していた西川、近藤を無安打に封じてハム打線を遮断。8回零封の見事な投球だった。

 0―0の9回には中村晃が全力疾走で三塁内野安打をもぎ取り、プロ野球308人目の通算1000安打を達成した。好機が拡大して無死一、二塁からグラシアルが右前適時打を放ち、敵失が絡んで2点を奪っての勝利だ。これぞ王者の強さという戦い。天国の川村さんも喜んだに違いない。工藤監督は言った。「我々は前を向いて戦っていくしかない。川村君もきっとそれを望んでくれている」。チームの結束が増し、Vロードが一気に開けた。