絶望の虎ベンチで浮いて見える「矢野ガッツ」に大物球界OBが危機感

2020年09月17日 05時15分

ホームランを打った大山を出迎える矢野監督

 このままズルズルといってしまうのか――。阪神は16日の巨人戦(東京ドーム)を6―7で落とし、大事な3連戦でよもやの2連敗。ライバルに優勝マジックを一気に3つも減らされた。今年はクライマックスシリーズもなく、優勝が絶望的な現状では次なる目標も見つけにくい。変わらず試合中に「矢野ガッツ」を繰り出している矢野燿大監督(51)が浮いているようにも見える状況に、大物球界OBから〝処方箋〟が授けられた。

 前夜にマジック点灯を許した阪神は坂本と岡本を欠くライバルに好き放題やられた。先発の青柳は田中俊に今季1号をプレゼントするなど5回途中5失点KO。2番手の桑原も立岡に1号3ランを進呈するサービスぶりで、5回までに7点のリードを許した。

 打線も覇気がなく、相手先発・田口の前に初回先頭の近本が右前打を放ったきりなすすべなし。7回終了まで打者21人で料理された。8回になって代打で登場した中谷、木浪の2者連続2点二塁打で反撃開始。9回には抑えのデラロサから大山が19号2ランを放って1点差まで詰め寄ったが、中川に火消しされて万事休す。これで今季は東京ドームで8戦全敗だ。

 矢野監督も「結果がこうなってしまってタイガースファンの皆さんに腹だたしい思いをさせているのは重々、承知している」とさすがに元気がない。首位・巨人とは11・5ゲーム差に広がり、公言した日本一どころか、リーグVも絶望的だ。

 ただ、指揮官はファイティングポーズを解くつもりはない。残り46試合で諦めるのもまだ早すぎる。象徴でもある「矢野ガッツ」は今後もナインを鼓舞するため繰り出されるだろう。しかし、現役時代にセ、パ両リーグで優勝経験があり、矢野監督のこともよく知る球界OBは「シーズンが事実上決まってしまった中でもこれをやり通すのは結構大変だと思う」と心配する。指揮官ひとりが浮いてしまう危険があるからだ。

「監督のテンションが独り歩きするようなベンチの雰囲気にしないことが今後はより、大事だと思う。具体的には、試合に出るレギュラーとは別にベンチの盛り上げ役的な選手の存在。言い方は悪いけど『バカができる』選手がいること。たとえカラ元気でも、試合が終わるまで常に味方を鼓舞し続けられるのは立派な才能だし、誰もができることじゃない」(同)

 具体例を挙げるなら、ソフトバンク・松田宣や日本ハム・杉谷、広島・上本あたりがそれに該当する。阪神でその役回りをこなせるとしたら、球団グッズとして発売中の矢野監督の『赤い勝負パンツ』をはいて円陣で声出しを行った5年目捕手の坂本や、ゴリラポーズでブレーク中の陽川といったところだろう。

 指揮官ひとりがカリカリしたところで状況は好転しないし、打ったり投げたり以外にもチームに役立つ仕事はある。今こそ「一戦必勝」でチーム一丸となる時だ。