宇野勝氏があきれた中日・与田監督の不可解采配連発「いくら何でもみっともない」

2020年07月08日 06時15分

中日・与田監督

【宇野勝 フルスイングの掟】久しぶりに開いた口がふさがらなかった。7日の中日―ヤクルト戦(ナゴヤドーム)の終盤、中日の与田監督が不可解な采配を連発したからだ。

 1―2の延長10回裏、中日は二死満塁と攻め立て、逆転サヨナラ勝ちもあり得る場面で代打に投手の三ツ間を送った。結果は空振り三振でゲームセット。笑われても仕方ない用兵となったのは、ベンチ入り野手を9回までに使い切っていたことが原因だった。

 10回表を迎えるにあたって、与田監督は8番の打順に守護神・岡田を入れ、9番は7回の代打から途中出場していた売り出し中の捕手、A・マルティネスに代えて加藤にマスクをかぶらせた。もし加藤を温存していれば、二死満塁で迎えた岡田の打順で代打で使えたし、せめて8番に加藤、9番に岡田を入れておけば、投手を代打に送る失態は避けられた。

 試合中に思わず首をかしげてしまったシーンは他にもあった。1点を追う7回には一死走者なしから先発マスクの木下拓がチームで唯一のマルチ安打となる二塁打を放ったのに、与田監督は渡辺を代走に起用した。別に代走を送ることは構わないが、これでは5日の巨人戦で初スタメン出場ながら3安打したA・マルティネスに代えて木下拓を頭から使った意味がなくなってしまう。6回二死満塁の好機で6番・武田に代打・井領を送ったシーンもそう。1―1の8回一死一、二塁では、その井領に平田を代打で起用した。こんな使い方をしていたら野手が底を突くのも当然だ。

 私が中日で打撃コーチをしていた2012年、せっかちだった高木監督が7回までに野手を使い切ってしまい、同点に追いつかれた9回に投手のソーサがそのまま打席に立ったことがあった。似ているけど、あのときは、もともとリードしていたし状況が全然違う。(特別ルールにより)延長10回までしかないと分かっているのに野手がいなくなってしまうなんてありえない。しかもこの日は出場選手登録の枠を2つ余らせていた。1つは9日以降に昇格が見込まれる先発候補・勝野の分だとしても、万一に備えて野手を入れておくことは可能だった。一、二軍とも名古屋にいたことを考えればなおさら。いくら何でもみっともないし、ベンチは何を言われても仕方がない。

 かねて毎日ころころと変わる日替わり打線は気になっていた。レギュラーの阿部に代えて2戦連続で溝脇を二塁でスタメン起用しながら、この日は2打席でベンチに下げた。これでは昨季、プロ4年目で初めて規定打席に到達した阿部のプライドはズタズタだし、溝脇だってすぐに代えられていては自信をなくす。こんな起用法では2人とも死んでしまう。

 平田も含めてレギュラー連中でも調子が悪いときはある。使いながら調子が戻ってくるのを待つ余裕があってもいいのではないか。ペナントレースは始まったばかり。選手を信じ、地に足をつけて戦ってもらいたい。

(本紙評論家)