ソフトバンクは2日の中日戦(バンテリン)に3―0の快勝を収め、今季2度目の5連勝を飾った。先発の大津が9回をわずか1安打に封じて、自身初の完封勝利。リーグトップに並ぶ6勝目を挙げ、防御率1・14で同1位に躍り出た。

 7回一死まで完全試合ペースだった。奪った三振は11個。140キロ台後半の直球には力があり、多彩な変化球を緩急自在に操り、二塁すら踏ませなかった。2年目から先発に転向。入団4年目でのプロ初完封に「目標にしていたことだったのでうれしい」と率直に喜びを語った。

 右腕は試合後「序盤の方はすごい『まっチェ』を待ってる感じがして、真っすぐで押していこうと。後半はそれを逆に入れ替えて『まっチェ』を軸にできた」と、女房役の海野隆司捕手(28)の好リードに感謝した。大津の伝家の宝刀「まっチェ」はいわゆるフォーシームチェンジアップで、打者を幻惑する〝なかなか来ないボール〟。海野は試合後「シンプルに真っすぐが強かったので」と謙遜したが、中日打線を手玉に取る巧みなリードだった。

 5月12日にDeNAとの電撃トレードで日本代表にも選出経験のある山本祐大捕手が加入。以降、海野の出番は激減している。山本祐が勝手知ったるセ・リーグ球団との対戦が続く交流戦。海野にとって、この日は6試合ぶりのスタメンマスクだった。長くホークスの正捕手を務めた甲斐(巨人)のFA移籍に伴い、昨季は主戦捕手としてリーグ連覇、日本一に貢献。山本祐の電撃加入で地位が一変する中、意地を見せた試合だった。

「開幕の時に比べて強気のリードができている」。試合後、そう海野を評したのは細川バッテリーコーチだった。その上で「インコースの使い方とか自分で勉強しているところもあるけど、出ていない時も山本のリードを見ながら考えを巡らせているところもあると思う。当然悔しさはあるはず。でも、海野は試合に出ていない時もしっかり試合に入り込めている。チームにとって大きな勝利だと思う」と続けた。

 打てる捕手・山本祐が注目される中、2回の先制機で併殺に倒れた悔しさは言わずもがなだろう。奮闘する姿をチームの誰もが見ている――。