巨人ドラ1「トミー・ジョン手術」の誤算 スカウト部長に事実上の“懲罰人事”か?

2020年04月02日 16時31分

右ヒジ手術が決まった堀田

 新型コロナウイルスによる混迷を極めるなか、巨人にさらなる衝撃が走った。ドラフト1位ルーキー・堀田賢慎投手(18=青森山田)が、右ヒジのトミー・ジョン手術を受ける方針であることが1日までに判明した。手術に踏み切れば年内復帰は絶望的。この日、球団で発令されたスカウト部の人事は事実上の“懲罰人事”とみられ、東京・大手町の球団事務所が揺れに揺れている。 

 金の卵にとっては、不本意なルーキーイヤーとなりそうだ。堀田は1月下旬の新人合同自主トレ中に右ヒジに炎症を起こし、春季キャンプはファームで調整。すでにキャッチボールなどは再開していたが、近く側副靱帯再建術=トミー・ジョン手術を受け、完全復活を目指す方針が固められた。

 ただ、手術に踏み切れば、完治するまでに最低8か月以上と見込まれる。年内の復帰は望めない上、実戦復帰までにはさらなる時間を要する。メジャーでは実戦復帰するまでの目安は「術後18か月」が一般的で、2018年10月に手術したエンゼルス・大谷も、いまだ投手での復帰を目指してリハビリの最中だ。

「3年目までにローテーションに入って10勝以上」。高い志を抱いていた堀田はじくじたる思いに違いない。だが、話はここで終わらなかった。新人ドラ1が実戦で一球も投げぬまま手術。この大誤算だけでも球団内は騒然となったが、人事にまで飛び火したため波紋はさらに広がった。球団は1日付で、長谷川国利スカウト部長(57)を編成本部付部長とする人事異動を発令。同部長は東海大相模―東海大出身で、原辰徳監督(61)の直系の後輩に当たる。スカウト歴も長く、評価も高かっただけに衝撃は小さくはなかった。

 いったい、何が起きていたのか…。球団関係者の話を総合すると、今回の人事は事実上の「懲罰」ともっぱらだという。近年の巨人のドラフトを巡っては抽選のクジ運に見放され続けた面もあるものの、上位で獲得した選手が早々に離脱、故障持ちだったケースも少なくなかった。そのため球団内でも懐疑的な声も根強かったが、昨季から再々登板した原監督の下でスカウト陣を刷新。改めて「育成の巨人」を見直そうとした矢先で起こったドラ1の手術…。球団首脳からすれば、責任の矛先をスカウトのトップに向けるのは自然の流れだったのかもしれない。

 実は、原監督自身もスカウト陣に不満を募らせていたという。“外れ外れ1位”で指名した堀田には「非常に将来性のある素晴らしい投手。近々未来、ジャイアンツのエースになってくれる素材だ」と伸びしろに期待していたが、早々と故障。他球団ではロッテの佐々木朗希投手(18=大船渡)らが輝きを放つ一方で、巨人の新人選手たちは芽を出せ
ずにいる。

 球団関係者の一人は「もちろん全部ではないけれど、原監督はドラフト指名の時も最大限、スカウトの意見に耳を傾けた経緯がある。だけど、なかなか結果が伴わず『ウチのスカウトは何をやっているんだ』と漏らしたこともあった。(今回の人事は)その結果責任が問われた形」と打ち明けた。

 ペナント開幕はまだ見えない。しかし、水面下での動きは目まぐるしい。今後は大塚球団副代表兼編成担当がスカウト担当も兼務するが、この“ダブルインパクト”に球団内は大きく揺れている。