メジャーと同調? 日本球界も開幕は早くて5月か

2020年03月17日 16時30分

無観客でオープン戦が行われたナゴヤドーム

 日本プロ野球界も厳しい選択を迫られそうだ。MLB(米大リーグ機構)は16日(日本時間17日)にレギュラーシーズンの開幕を遅らせると発表した。新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、米疾病対策センター(CDC)が15日(同16日)に全米で今後8週間にわたり、50人以上が参加する大規模なイベントの開催を中止か延期するように要請したことを受けて決断した。早くても5月中旬の見込みだ。MLB側からは同じく開幕を延期したNPBに対し、足並みを揃えるように求める声も出ている。

 CDCの要請は米スポーツ界全体に衝撃的なメッセージとなった。新型コロナウイルス対策のガイドライン改訂をさらに加速化させ、50人以上が参加する集まりを今後8週間にわたって中止、もしくは延期するように促すという内容だ。

 ここには例として会議や祭典、結婚式、コンサート、そしてスポーツの試合も挙げられている。オープン戦の打ち切りと開幕を少なくとも2週間延期を決めたMLBにとっても、ショッキングな要請だった。MLBは具体的な日時は触れていないが「8週間」となれば早くても開幕は5月中旬となる。

 CDCの権限は日本で考えられている以上に絶大。米政府機関としての調査や情報収集能力はCIA(中央情報局)に匹敵するとも言われ、緻密なデータに基づく要請も「世界標準」となるほどの多大な影響力を持つ。それだけに米4大スポーツのMLBも要請を無視するわけにはいかなかった。MLB各球団の間でも「CDCの要請が加味され、新たな開幕日を再考する上で“今後8週間”のガイドラインは遵守せざるを得なくなるだろう」と覚悟していた。さらなる開幕の遅れに落胆ムードだ。

 これを「対岸の火事」と構えていられなくなりそうなのがNPBだ。MLBのア・リーグ関係者は「CDCの要請は日本も深刻に受け止めなければならなくなる」とした上で、NPBに対して次のように訴えた。

「この世界標準のデータに基づく要請をMLBが遵守するとなれば当然、NPBも参照すべき。日本もウイルスの拡大はいまだに沈静化していない現状なのだから、MLBと横並びにするぐらいの議論が今後行われなければ道理として通らないと考えています」

 NPBは今のところ最短で4月10日の開幕を目指すとしている。しかしあくまでも観客を入れての通常開催が基本方針だけにハードルはあまりにも高い。現実的には厳しい雲行きとなっており、斉藤惇コミッショナーも希望の“最遅開幕”について「ギリギリで4月24日ぐらい。それを超えると、オリンピックで空いたところでも(試合の消化でスケジュールを)使わなきゃいけない」と述べるなど頭を抱え込んでいる。MLB側から圧力に匹敵するような追い打ちをかけられれば、世界的な流れも考慮し「NO」と言い切るのは難しくなるかもしれない。

 前出の関係者は「この新型コロナウイルスに関しては世界全体がナーバスになっている。NPBが4月中の開幕にゴーサインを出して観客を入れ、見切り発車すれば日本はともかくとして我々MLBはもちろんのこと世界中からブーイングが飛ぶことになると予想されます。一日でも早く開催したいのはMLBも同じ。ただ世界の危機なのだから、ここは慎重に判断するべきでしょう」とも警鐘を鳴らした。

 NPBはJリーグと合同で設立した「新型コロナウイルス対策連絡会議」と12球団代表者会議を23日に開き、新たな開幕日について協議する予定。安倍首相が大規模イベントの自粛継続の判断を19日にもする見通しだが、これに加えてMLBの決断も協議に影響しそうな気配だ。