母国代表と鷹をけん引するキューバの大砲がピンチを迎えている。ソフトバンクのアルフレド・デスパイネ外野手(33)が、左手首痛に悩まされていることが6日までに分かった。先月下旬に来日し、チームに合流以降、打撃練習を再開できておらず、今月中旬から招集される見通しのキューバ代表での東京五輪・米大陸予選(23~27日=米・アリゾナ)の出場が不安視されている。早ければ米大陸予選終了後の今月下旬に再来日するが、開幕ダッシュを狙う鷹の強力ラインアップに名を連ねられるかも不透明だ。

 2月24日に宮崎入りしたが、ここまでバットを握れない状況が続いている。来日前のキューバでのトレーニング中に痛めたとみられ、宮崎では患部を何重にもテーピングでケアする痛々しい姿を見せ、現在はファーム施設のある福岡・筑後市でリハビリ調整を行っている。まだ痛みがあるためバットを握れない状態で実戦復帰のメドすら立たない状況に、ソフトバンク陣営では「冷静に判断すれば(チーム)合流後も難しい」との見解が強い。驚異的回復が望めなければ、再来日後のチーム編成に大きな影を落とすことは必至だ。

 6日、森ヘッドコーチは遠征先に向かう福岡空港で「先のことはまだわからない。帰って来たら行けるとなるかもしれない。その都度、いるメンバーでベストな戦いをすることが大事」と大砲の驚異的回復を願った。

 また、デスパイネとともにキューバ代表とホークスで中軸を担うジュリスベル・グラシアル内野手(34)も右手小指を骨折していたことが判明。宮崎合流後は打撃練習を一部再開し、現在は筑後でゴロ捕球や遠投も行うなど調整中だ。昨季から患部に痛みを抱えていたが、キューバ帰国後は母国リーグに参戦すると10試合以上に出場。その間もトレーニングを欠かさず、今春キャンプ合流時点ですでに体脂肪率5%と患部以外は元気な姿を見せていた。痛みに強い元軍人は、早期実戦復帰も視野に懸命に調整を続けている。