阪神・藤浪決意 トレード復活説一蹴「阪神でダメならどこ行ってもダメ」

2019年08月02日 16時30分

2回、木下拓(右)に死球を与える藤浪

 阪神の藤浪晋太郎投手(25)が1日の中日戦(甲子園)で今季初登板し、5回途中1失点で降板した。志願の二軍調整を経て299日ぶりとなった一軍マウンドは、制球に苦しみ2死球に6四球と乱調。試合後には当初の予定通り、出場選手登録抹消が決定した。悩める右腕は再び“出直し”となるが、ファンの間でささやかれるトレードによる復活説に反論。あくまで阪神で完全復活を遂げることを誓っている。

 場内が騒然となったのは2回だった。右打者の木下拓に死球を出すと中日・与田監督がベンチを飛び出すなど不穏なムードに…。4回にも再び死球を与えるなどこの日の藤浪は課題である制球に苦しんだ。それでも何とかゼロ行進を続けたが、5回に先頭・大島への四球からピンチを広げて犠飛で1点を失い、5番・阿部に6つ目の四球を出したところで無念の降板となった。

 完全復活とはいかなかったが、これまで以上に覚悟を持ってのマウンドだった。高いポテンシャルを秘めながらもくすぶり続けている右腕をめぐっては常に“トレード説”がささやかれていた。この日は温かい拍手で激励を受けたが、期待値が高い分、ふがいない投球をしたときの甲子園でのヤジは手厳しい。そのため普段は熱狂的な虎党からも「阪神よりも重圧の少ない他球団に行かせたほうがいい」と“藤浪ファースト”ともいえる声が上がっている。

 球団内もしかり。藤浪の復活には「トレードしかないかもしれない…」という意見もある。実際、今年に入ってからも公式、非公式を合わせてパ・リーグすべての球団から獲得の打診があるなど、トレード要員としての人気は依然として高い。

 阪神という「環境」が最大の壁となっているならばトレードによって復活する可能性はある。しかし、そんな声とは裏腹に藤浪本人の考えはまったく違う。トレードに関する本紙の問いに「どこのチームでもやることは変わらない。環境によってどうこうということは全くないです。阪神でダメならばどこに行ってもダメなんだと思う」とキッパリ。自身を案じる周囲の声に感謝しつつも、トレードによる復活説に反論。これまでの不振はあくまで自身の技術力不足であり、本当の意味での復活は阪神でしかできないと断言した。

 甲子園特有の痛烈なヤジについても「それで活躍ができないとかそんなことはない」と否定するなど周囲の声や感情に振り回されることはないと主張していた。今回の登板で“新境地”を見せることはできなかったが、そんな藤浪の覚悟に応えるように球団側も「いろいろな苦労はあると思うが、二人三脚でやっていく。復活させられるようにサポートしていく」(球団幹部)と心中する腹を決めている。

 試合後の右腕は「たくさん歓声をいただいて結果を出したかったが、うまく(ボールを)制御できないところもあった。もうちょっと長いイニングを投げないと話にならない。『やってやろう!』という気持ちが強過ぎた。6割くらいで投げられればよかった」と反省の弁を口にした。

 一方、矢野監督は藤浪を登録抹消することを明かした上で「悪いところを言いだしたら簡単。ただ、次への目標や課題ができたと思う。今度は自分自身の投球で勝たせるという投球をしてほしい。前進はしている」とエールを送った。再び二軍からチャンスをうかがうことになるが、次回の一軍マウンドでは復活した姿を見せたいところだ。