大下剛史氏がうなった巨人・原監督「迷いなく2つの采配」

2019年04月02日 11時00分

降板する畠(左)を拍手で迎える原監督

 今季はこれまでとは違う…のか。原辰徳監督(60)が4年ぶりに復帰した巨人が31日の広島戦(マツダ)に6―3で快勝。昨季まで13連敗を喫するなど、あれほど勝てなかった“鬼門”で2年ぶりのカード勝ち越しを決めた。上々のスタートを切れたのは、たまたまなのか、それとも…。本紙専属評論家・大下剛史氏がズバリ指摘した。

 昨季わずか2勝しかできなかった敵地で、開幕カード勝ち越し。ベンチ裏ではGナインの歓喜の声がこだました。

 もちろん、簡単には勝たせてはくれなかった。2回にゲレーロの2ランで一時逆転するも、3回にすぐさま追いつかれた。だが5回、チーム待望の一打が生まれた。開幕から5打席連続三振を含む11打席連続無安打だった丸が、12打席目にして放った移籍後初安打が勝ち越しタイムリー。

 6回途中2失点で降板した先発・畠の後を戸根、吉川光が無失点でつないだが、4番手の桜井が再び同点に追いつかれ、そのまま9回へ。ここで相手の連続失策に乗じて吉川尚の決勝2点適時打などで3点を挙げると、最後は新守護神・クックが締めた。

 試合後、原監督は「なかなか緊迫したゲームでしたね。(相手の)エラーに助けられたというところ」とひと息つきながら「いいご挨拶ができたというところで、いいんじゃないでしょうか」と敵地での開幕3連戦を満足そうに振り返った。

 4年ぶりの原采配は、大下氏にはどう映ったのか。「今年の巨人は昨年までとは違う。3戦目から『おっ』と思わされる場面があった」という。

 一つは1点リードで先発の畠に6回二死走者なしのシーンで交代を告げた場面。大下氏は「昨年までなら6回まで投げ切らせて継投に入っていただろう。しかし、原監督はスパッと代えた。今年のリリーフ陣を見るに不安だらけだろうが、一軍での実績が乏しい戸根を送った。これは大きな賭けだったはずだが、私の目に迷いは見られなかった」とした。

 さらに「畠はマツダでの悪いイメージを持つことなく、また投げることができる。そこまで計算しての交代に違いない。何より、原監督に『俺が先頭を切って戦う』という意思が感じられる。そうした姿勢に選手は敏感だ。チームに一体感が生まれたはずだ」と指摘した。

 それだけではない。もう一つは1点リードの8回無死一、三塁、内野の守備陣形は定位置で、二塁併殺を狙う同点でもOKのシフト。結果的に遊ゴロ併殺の間に同点とされたが、これにも「リリーフに不安があるなら、1点を守ろうと内野を浅めに守らせるが、それもなかった。これも賭けだったはずだ。取られても、取り返せる自信がなければできるはずがない。こうした采配に広島ベンチも昨年までとの変化を感じ取っただろう」と分析した。

 そして開幕3連戦を見届けた大下氏は、最後に「今年の巨人は楽しみな存在になってきた」とも…。

 原監督は畠の交代について「何人かの左バッターに非常に苦しんでいたところで、戸根の力を借りた」とし、強気な守備位置も「ナイスダブルプレー。ゴロゾーンの球を投げてゴロを打たせる。見事ですね」としてやったりの表情。9回一死一、二塁で外野に前進守備をさせ、長野の頭を越された広島の守備陣形とは対照的だった。

 それでも「スタートしたばかりです」と原監督に慢心はない。まずは難敵を乗り越えた原巨人は、このまま一気に突っ走れるか。