米大リーグ・エンゼルスの〝二刀流〟大谷翔平投手(26)が規格外の活躍を見せている。2日(日本時間3日)のオリオールズ戦で29、30号を連発し、2004年の松井秀喜(ヤンキース)以来、2人目の30号に到達。オールスターの本塁打競争も異様な注目を浴びそうで、いまや押しも押されもせぬスーパースターとなっている。

 この大谷と「人気」を二分しているのが冬季五輪2連覇の国民的ヒーロー・羽生結弦(26=ANA)だ。両者が1994年生まれの同学年というのはよく知られているが、昨年末に株式会社博報堂DYメディアパートナーズらが実施した「アスリートイメージ調査」では羽生が1位、大谷が2位。

 また、今年5月に公表された笹川スポーツ財団による「好きなスポーツ選手」の調査でも羽生がトップ、元米大リーグのイチロー氏(47)が2位、大谷が3位という結果となった。

 イチロー氏が「鈴木一朗」から改名して大ブレークした94年、いわゆる〝イチロー元年〟に両雄が誕生したというのも感慨深い。

 一方、他競技に目をやっても94年生まれはスター揃い。競泳の瀬戸大也(27=TEAM DAIYA)、バドミントンの桃田賢斗(26=NTT東日本)、奥原希望(26=太陽HD)、スピードスケートの高木美帆(27=日体大職)など夏冬の五輪金メダリスト候補がズラリ。

 高木は「同い年が世界で活躍していて誇りに思う」と言いつつも「大谷選手も羽生選手もちょっとレベルが違う」と舌を巻く。最強世代は今のところ「羽生世代」と表されることが多いが、大谷の活躍次第では「大谷世代」に変化する可能性もある。

 2人が初めて顔を合わせたのは21歳、2016年1月のスポーツイベントでの檀上だ。大谷を見上げた羽生は「ホントに大きいな。自分はこんな、ちっちゃかったんだ」とニッコリ。

 一方、大谷は「ボクは常々〝羽生くん世代〟だと思っているので」と敬意を表した。今秋、大谷が輝かしいシーズンを終えると、いよいよ羽生の人類初のクワッドアクセル(4回転半ジャンプ)と北京五輪への挑戦が始まる。再び両雄が対峙した時、どんな言葉を交えるだろうか。